安定した無線通信環境を整備、工場や倉庫のレイアウト変更も柔軟に
中国のVisionNav Robotics(ビジョンナビロボティクス)の日本法人ビジョンナビロジスティクスジャパンと、岡谷鋼機子会社の新エフエイコムは6月3日、次世代無線通信基盤「ローカル5G」を活用し、無人自動フォークリフト(AGF)の安定運用を実現する実証実験に成功したと発表した。
ヴィジョンナビのAGFと、NTT東日本が提供しているローカル5Gサービス「ギガらく5G」を組み合わせて実施。新エフエイコムはAGFの一時的な改造およびローカル5G向けのシステムインテグレーションを担当し、AGFの自動搬送とリアルタイムな状態監視を実現した。
実験は今年2月にNTT中央研修センタ(東京都調布市)内の「NTT e-City Labo」で行い、ローカル5G基地局(RU)と接続する端末(UE)をAGFに設置し、AGFコントローラ(RCS)から指示を送信することで、安定して自動搬送を行っていることを確認した。
実証構成図
従来のWi-Fi環境では、チャンネル干渉や接続端末数の増加により通信品質が低下することが課題だった。一方、ローカル5Gは高速大容量・低遅延・同時多数接続に対応しており、自動化推進やDXに必要な安定した無線通信環境を提供できるのがメリット。
実証実験の様子
AGFへのUEの接続
実証環境
AGFのセンシング地図
AGFの経路設計
RCS上での位置情報表示
今回の技術を導入することで、工場や倉庫内でのレイアウト変更の柔軟性向上、有線LANに依存しない設備連携が可能となり、生産効率の向上も見込めるという。
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用