コスモがJAL・ANA向けに国産の環境負荷低い航空燃料SAFを供給へ

コスモがJAL・ANA向けに国産の環境負荷低い航空燃料SAFを供給へ

25年度開始、国内で全サプライチェーン構築は初

コスモエネルギーホールディングス(HD)は1月27日、傘下のコスモ石油マーケティングが、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYが国内で製造する環境負荷の低い航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel)」を2025年度から日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)の両社に供給すると発表した。

コスモエネルギーHDは、日本国内で初めて、国産SAFのサプライチェーンの構築が実現すると説明。航空業界の脱炭素を強力に支援していきたい考えだ。

 
 

供給予定のSAFは、2021年にNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「国産廃食用油を原料とするSAF製造サプライチェーンモデルの構築」助成事業として採択され、実用化を進めてきた。日本国内で初めて大規模生産される国産SAFで、持続可能な製品の国際的な認証を取得済み。

コスモエネルギーグループは、日揮ホールディングス、レボインターナショナルと共同で、国内における廃食用油の収集からSAFの製造・輸送・供給に至るまでのサプライチェーン構築に向けて事業化検討を進め、22年に新会社SAFFAIRE SKY ENERGYを設立。国内で発生する廃食用油のみを原料とした年間約3万キロリットルのSAFの供給を目指している。24年12月にはSAF製造設備(プラント)の工事が完了した。

25年度以降は原料となる廃食用油の調達から、SAFの製造・品質管理、航空会社への供給に至るまでSAFのサプライチェーン全体を国内で構築、運営できると見込む。


サプライチェーンの概要

今後も、コスモエネルギーグループとSAFFAIRE SKY ENERGYは脱炭素化ならびに循環型社会の実現を重要なテーマと認識し、航空業界の脱炭素化に資する取り組みを共同で進めてまいります。

SAF製造設備の概要

建設地 大阪府堺市西区築港新町(コスモ石油 堺製油所内)
SAF製造能力 約3万キロリットル/年
原料 国産廃食用油
 
 


SAF製造設備(2024年12月撮影)

(藤原秀行)※プレスリリースより引用

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