千葉・成田の倉庫、パレットに載せたまま対応可能
スイス発祥の計量器や分析機器大手メトラー・トレドの日本法人は2月18日、総合物流のサンリツが成田空港近隣に構えている「成田事業所」の第2倉庫(千葉県成田市)で、運用しているメトラー・トレド製の自動寸法計測装置「TLD870」などをメディアに公開した。
サンリツは同倉庫で2023年12月、自動寸法計測装置を導入。同倉庫に到着した貨物のサイズを、パレットに載せたまま瞬時に計測、データ化できるようになり、計測作業に要する時間を9割以上削減できたという。
サンリツは「物流2024年問題」や現場の人手不足を考慮し、2022年に無人の自動フォークリフトを取り入れるなどDXを促進しており、自動計測器の活用もその一環。23~25年度を対象とする中期経営計画はDX戦略の推進で5%相当の労働力創出(業務効率化)を果たすことを目標に掲げており、自動寸法計測装置なども有効活用していきたい考え。
成田事業所
同倉庫では以前、荷受けした貨物を作業スタッフがはかりに載せて検量するとともに、巻き尺を使い3辺の長さを測って値を記録、荷主に報告していた。ただ、人手に頼っていることからどうしても時間を要する上、書類への転記の際に間違いも発生していたため、自動化に踏み切った。将来の人手不足深刻化に備える狙いもあった。
メトラー・トレド製の自動寸法計測装置は、センサーとカメラを駆使して貨物の表面積を瞬時に割り出している。サンリツは同倉庫で自動寸法計測装置と重量計「PFA584」と組み合わせ、フォークリフトでパレット積みの貨物を計測場所に搬送、置くことでサイズと重量を素早く把握できるようにしている。
自動寸法計測装置
計測の様子
自動寸法計測装置で撮影した貨物の様子(いずれもメトラー・トレド提供)
同倉庫は1日当たりパレットで100枚程度の貨物を受け入れており、パレット1枚当たりの検量・検尺は約90秒から現在は4秒程度まで大幅に短縮できている。パレットより小さい貨物でも正確にサイズをつかめるという。
サンリツの情報システムに検量・検尺のデータを、測定時に撮影した写真とともに送信、保存する。このデータを荷主に通知、サイズや重量の正確な把握を後押しする。
(藤原秀行)