インプレスが調査結果公表、30年度には1兆円超え見込む
インプレスグループでIT関連メディア事業を展開するインプレスは3月25日、国内のドローンビジネス市場の動向に関する調査結果を公表した。
2024年度の市場規模は4371億円と推測。23年度の3854億円から517億円(13.4%)増えたとみている。25年度は4987億円(24年度推測比14.1%増)に拡大すると予測している。
24~30年度の年間平均成長率は15.2%で推移し、30年度には1兆195億円に達するとインプレス総合研究所は見込んでいる。
国内ドローンビジネス市場規模の予測
ドローンビジネスの市場は機体、サービス、周辺サービスの3つで構成。24年度に最も大きかったのはサービス市場で、2295億円(前年度比13.3%増)という。
機体市場が1134億円(7.9%増)、周辺サービス市場が942億円(21.0%増)と続いている。
各市場は今後も拡大が見込まれており、30年度には、サービス市場が5288億円(24~30年度の年間平均成長率14.9%)と大きく成長する予想となっているほか、機体市場が2746億円(15.9%)、周辺サービス市場が2161億円(14.8%)と試算している。
機体市場は引き続き国内および海外メーカーが点検や測量、農業、物流などの産業分野に利用可能な機体を提供。インプレスは24年に20~30kg程度の重量物の運搬に特化したドローンの有力な機体が発売されたことで、運搬分野でドローンの利用がさらに広がっていると指摘している。
運搬用のドローンは、土木・建築現場の資機材や農産物、農業資材のように、人が運ぶには重たいものを運べるため、従来の建設機械や農業機械のように、現場における生産性向上の手段としてドローンの利用が広がることが予想されるという。
また、屋内の狭所空間で点検に活用できるドローンを開発し、ハードやサービスを提供する事業者が増えてきていると解説。ドローンが“狭い空間”の点検に使えるという認識が広まってきていることから、屋内狭所空間点検用ドローンの普及が見込まれていると総括している。
24年は、新たに4機種が第二種型式認証の認証を受け、第一種型式認証は1機種、第二種型式認証は5機種となったことに言及。難度の高い「レベル4飛行」に欠かせない第一種型式認証に加えて、技能証明と組み合わせることで許可・承認を省略できる第二種型式認証のドローンは今後も増えるとみている。
サービス市場の分野別市場規模の予測
サービス市場では、特に点検、土木・建築、農業の分野で、ドローンの社会実装が着実に進んでいると解説。
24年度の点検分野では、特に送電網・鉄塔や基地局鉄塔の領域で、ドローン点検の商用化・実用化が進んでいるという。インプラスは「自社保有の設備を自らドローンで点検していたユーザー企業が、そのノウハウを活用したサービスを外販する動きも見られる」と報告している。
また、大規模建造物の天井裏や下水道の管渠、ボイラーやダクトの内部など、狭小空間におけるドローン活用が普及し始めており、さらに大規模な災害や社会的影響の大きい事故などをきっかけに、ドローンの新たな活用方法について認知が広まりつつあるため、より多様な場面でドローンが活用されることが見込まれると分析している。
周辺サービス市場は、ドローンの産業利用が進むにつれて、バッテリーなどの消耗品や定期的なメンテナンス、業務環境に即した保険のバリエーションが増加するなどにより、機体市場の拡大に合わせて引き続き成長していくと想定している。
調査結果をまとめた新産業調査レポート『ドローンビジネス調査報告書2025』を3月28日に発売する。
書名 :ドローンビジネス調査報告書2025
著者 :春原久徳、青山祐介、インプレス総合研究所
監修 :ドローンジャーナル編集部
発行所 :株式会社インプレス
発売日 :2025年3月28日(金)<予約受付中>
価格 :CD(PDF)版、ダウンロード版 143,000円(本体 130,000円+税10%)
CD(PDF)+冊子版 154,000円(本体 140,000円+税10%)
判型 :A4判 モノクロ
ページ数:562ページ
ISBN :CD(PDF)+冊子版 978-4-295-02151-3
(藤原秀行)※いずれもインプレス提供