努力賞はオカムラ物流など5件
日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は6月28日、東京都内で、物流業務改善事例の成果を競い合う「2019年度物流合理化賞」の表彰式を開催した。
物流合理化賞は1つの作業所(現場)が対象の「物流業務部門」からデンソーロジテムとTOTOがともに初めて受賞した。
今年5月にJILSが日本物流資格士会と共催で行った「全日本物流改善事例大会」にお目見えした26事例の中から、物流業務部門と複数の物流業務や工程を統合した範囲を対象とする「物流管理部門」でそれぞれ審査、より優秀なものを選び出した。
デンソーロジテムは「高齢社員・女性社員目線で取り組んだ職場改善~『楽しく、長く働きたい』が聞きたくて!~」がテーマ。自動車部品の輸出梱包センターで、シニア層や女性が活躍できる職場を目指し、作業姿勢改善やIT活用による作業手順の平易化、歩行・動作の無駄排除による工数低減などの施策を3年計画で展開。離職率が30%から4%まで低下したことが高く評価された。
TOTOは「ICT活用による物流センター出荷作業の同期化」が受賞事例。物流センターの出荷作業に関し、発送・出庫職域で作業進捗がそろっていなかった事態を改善するため、全職域統一の目標時間や各出庫職域の納涼を設定。作業人員の投入管理も進め、各出庫領域の作業時間削減や仮置き場の縮小などの成果を挙げたことが審査員の注目を集めた。
表彰式でJILSの遠藤信博会長(NEC会長)と記念撮影に応じるデンソーロジテムの近藤羽留奈氏(上)とTOTOの平櫻興生氏※クリックで拡大
他の受賞事例は以下の通り。
▼物流合理化努力賞(5件)
【物流業務部門】
①オカムラ物流
「改善の積み重ねによる荷役粗利率改善」
②日通・パナソニックロジスティクス
「IE手法を用いた自動車組立および庫内移動の改善」
③ブリヂストン物流
「物流効率改善によるCS向上~路線便削減で物流品質の向上とコストダウンの実現~」
④山村ロジスティクス
「集品作業効率の向上 間接作業工数(MH)の削減」
【物流管理部門】
⑤本田技研工業
「輸出入全体最適を考慮した一貫物流オペレーションの実践」
▼2019年度全日本物流改善事例大会 実行委員特別賞(1件)
【物流業務部門】
山村ロジスティクス
「作業環境の大幅改善による生産性の向上」
(藤原秀行)