日本郵船、輸出入時の食品ロス低減へIT関連会社がSOMPOグループと実証実験

日本郵船、輸出入時の食品ロス低減へIT関連会社がSOMPOグループと実証実験

コンテナ輸送時の荷役作業標準化、破損や品質低下回避図る

日本郵船は4月23日、関連会社で海運・物流領域向けのITソリューション開発を手掛けるSymphony Creative Solutions(シンフォニー・クリエイティブ・ソリューションズ、SCS)が3月24日に、損害保険ジャパンやSOMPOリスクマネジメントと連携し、食品ロス削減に寄与する損害防止サービスの開発を目指した実証実験を始めたと発表した。

SCSは現場作業の標準化とワークフロー順守を支援するITソリューション「CargoNote」(カーゴノート)を提供し、コンテナへの食品の荷詰めなど、精度が要求される作業時に活用することで、輸出入時の破損などによる食品ロス低減を図る。

 
 

流通過程のコンテナ輸送における食品ロスの原因は、コンテナ自体に不備があるハード的な要因や積み込み作業時の手違いによるソフト的な要因など多岐にわたる。

実証実験で協働する両社はコンテナの外観チェックや積み込みチェックなどの作業の標準化を徹底することで、食品ロスにつながる輸送中の破損・品質低下を未然に防げるとみている。

SCSは2016年、日系4社がシンガポールで立ち上げた。23年11月に本格的にリリースした「CargoNote」は、物流現場でのコミュニケーションを円滑にし、業務の標準化・効率化を図るためのツールで、チャット機能や通知機能などを搭載している。

実証実験では、SOMPOリスクが過去の保険金支払いデータを基に、事故削減に向けたコンテナへの積み込みや取り出しに関する最適なワークフローを「CargoNote」に設定する。荷主のメーカーはワークフローに基づいた積み降ろしを行うことで大規模な損害や廃棄につながる食品ロスを未然に防ぎ、物流業務の効率化と安全性の向上につなげられると想定している。

損保ジャパンは事故削減状況を適宜共有し業務の改善を支援するとともに、荷主は「CargoNote」上での写真レポートを活用し、輸送中の食品ロスの原因を明らかにして、再発防止に向けた協議を進めやすくなると見込む。

本実証実験の成果を基に、損保ジャパンとSOMPOリスクは食品ロス削減に寄与する損害防止サービスの展開を2025年度中に予定しており、今後は食品以外の業種への拡大も計画しているという。

 
 


CargoNote活用のイメージ


各社の役割

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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