周囲の人物や障害物をより高精度に検知
建設機械・フォークリフト用の安全対策商品の販売を手掛けるプラスト(大阪市)は5月1日、物流・工事現場の事故リスク低減のため、フォークリフト専用のミリ波レーダーシステムを開発、販売を開始したと発表した。
新製品は64GHz帯のミリ波センサーを採用し、フォークリフト周囲の人物や障害物を高精度に検知。死角に潜むリスクをリアルタイムでオペレーターに警告し、接触事故やヒヤリ・ハットの防止を後押しする。
機器性能
検知距離:最大 縦5.5m/横3m
検知範囲:3段階での警告
アラート方式:ブザー・警告灯・ディスプレイ通知(カスタマイズ可)
取付対応:ほぼ全てのフォークリフトに後付け可能(屋内外対応)
(プラスト提供)
フォークリフトが関与する事故は国内でも年間2000件以上報告されており、その多くは運転者の死角や注意不足が要因。これまでは安全確保策として後方確認ミラーやカメラが主流だったが、夜間や悪天候下では十分な視認性が得られず、限界があった。
そうした状況を打開するため、車載用や自動運転分野でも実績のあるミリ波技術を応用し、過酷な作業環境でも安定動作するレーダーシステムを開発。目視に頼らない第三の安全対策として、業界の新たなスタンダードになることを目指す。
まずは全国の物流企業、リース会社、製造工場を中心に提案を強化し、2025年度内に1000台の出荷を目標としている。今後はAI連携による危険予測機能の強化や、複数車両連携によるスマート倉庫対応も視野に入れた開発を進める。
(藤原秀行)