対話型AIが“同僚”となり励ましやアドバイス、配送ドライバーの孤独感解消

対話型AIが“同僚”となり励ましやアドバイス、配送ドライバーの孤独感解消

セイノー系のココネットとスタートアップが実証実験開始、

AI関連サービスの開発を手掛けるスタートアップのつながりAI(東京都新宿区新小川町)とセイノーグループで宅配を手掛けるココネットの両社は5月8日、配送ドライバーの“同僚”として相談や雑談に応じる対話型AI「同僚AI」の実証実験を5月9日に共同で始めると発表した。

ドライバー不足が深刻化する中、心身のケアや職場への愛着(エンゲージメント)を高める新たなアプローチとして対話型AIを取り入れることで、離職防止や現場の声を活かした経営改善への示唆創出を目指す。

 
 

実証実験は約3カ月間行う予定で、つながりAIが「同僚AI」の開発・提供を担い、ココネットが自社のラストワンマイル配送現場でドライバー向けに「同僚AI」を導入、効果や課題を検証する。

「同僚AI」はココネットの社内キャラクター「ココちゃん」をインターフェースに採用。ドライバーがスマートフォン上のLINEを通じて利用できる。職場の同僚と話すような感覚でコミュニケーションを取ることが可能。

生成AI(大規模言語モデル)技術を取り入れ、ドライバーのメッセージ内容を理解して自然な応答を返す。困りごとや業務上の悩みを聞き、解決策の提案やアドバイスを行うことで、経験豊富な先輩ドライバーに相談するような安心感を提供できると見込む。

さらに、休み時間などに世間話や趣味の話など雑談に応じる。長時間1人になりがちな業務中のリラックスや気分転換を促すことを想定している。

他にも、疲労がたまっていそうな時や落ち込んでいる時に、励ましやねぎらいの言葉をかけてモチベーション維持をサポートする。健康状態や安全運転への気遣いのメッセージも届ける。

両社は今回の実証実験の結果次第では、「同僚AI」モデルを他業界へ横展開していくことも念頭に置いている。例えば、長距離トラック運転手やタクシードライバーなど長時間の単独作業が発生する職種、高い離職率に悩む業種、さらにはリモートワークでの孤独感対策など、幅広い分野で本取り組みを応用できる可能性があるとみている。

 
 

まず実験でドライバー支援AIの有効性を見極めた上で、将来は他の企業や自治体との連携も視野に入れ、社会課題解決に資するAIソリューションとして展開を図りたい考え。


(両社提供)

(藤原秀行)

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