東京建物、オーストラリアで区分分譲倉庫開発事業に初参画

シドニー近郊の2物件、EC市場拡大などで需要伸びに対応

東京建物は5月29日、オーストラリアのシドニー近郊で「Rockwater Brookvale PJ」（ブルックバール・プロジェクト）と「Stream Northmead」（ノースミード・プロジェクト）の2つの区分分譲倉庫開発事業に参画したと発表した。

同社がオーストラリアで区分分譲倉庫開発事業に加わるのは今回が初めて。

ブルックバール・プロジェクト

ノースミード・プロジェクト

オーストラリアは安定的な経済成長による中小企業の増加やEC市場の拡大に伴い、中小企業の事務所や倉庫としての拠点需要が高まっている上、シドニーとその近郊は住宅の高騰や郊外の戸建て住宅から都心のコンパクトな集合住宅への住み替え層（ダウンサイザー）の増加により、居住スペースが減少する傾向にあり、個人のストレージ需要も増加している。

今回の事業はオーストラリアの不動産仲介グループの資産運用会社Ray White Capital（レイ・ホワイト・キャピタル）やゼネコンのデベロッパーHannas Contracting Services（ハンナ・コントラクティング・プロパティーズ）との共同事業として展開。いずれも約80区画から成る倉庫を開発して区画ごとに分譲する。

ショールームなどにも使える中型倉庫区画と、小型倉庫区画を併設することで、中小企業や個人など幅広いニーズに対応する。

オーストラリアは、オフィスや住宅と比較して低コストでの運用が可能な区分分譲倉庫は個人の投資商品としても一定の需要があるという。

事業概要
Rockwater Brookvale（ブルックバール プロジェクト）
シドニー中心部から約15km（車で約30分）に立地し、周辺は住宅地に加えてゴルフ場やビーチリゾートもある。ECの配送拠点としての需要に加えてゴルフ用品やサーフボードなどを収納する個人の需要も高く、本物件では99～266㎡の中型倉庫区画（計34区画・地上階）に加え、11～110㎡の小型倉庫（計45区画・地階）を計画している。

完成イメージ

1F 中型倉庫区画

外観

B1F 小型倉庫区画

Stream Northmead PJ（ノースミード プロジェクト）
シドニー中心部から約25km（車で約35分）に立地し、周辺には住宅地に加えて病院や研究施設の集積エリアも存在。関連企業からの需要も見込めるエリア。100～440㎡の中型倉庫区画（計34区画・地上階）に加え、17～89㎡の小型倉庫（計47区画・地階）を計画している。

完成イメージ

1F 中型倉庫区画

2F 中型倉庫区画（内観）

B1F 小型倉庫区画

事業位置図

（藤原秀行）※いずれも東京建物提供