NAA・田村社長が退任前最終会見で機能強化の必要性訴え
成田国際空港会社(NAA)の田村明比古社長は5月29日、東京都内のNAA東京事務所で開いた定例記者会見で、6月20日の退任を前にこれまでの経営などを振り返った。
田村社長は、NAAが中心となって昨年7月に取りまとめた将来の「新しい成田空港」構想に関し「ECの三国間輸送の取り込みなどで今後国際航空貨物量が増えるとの予測もある。最も急いで取り組むべきことは新貨物地区の整備だと思う」との見解を表明。旅客受け入れと並行して貨物取り扱い機能の強化を着実に進めていく必要性をあらためて訴え、構想を着実に具体化していくよう関係者に期待を寄せた。
また、羽田空港で都心上空を通過する飛行経路を設けることにより航空機の発着容量を拡充したことに触れ「今後、発着容量に拡張の余地があるのは成田。そこでできることを実行しなければ日本が困ってしまう。これからの世界で生き残る、勝ち残るために航空や空港がますます重要な役割を果たす」と強調した。
後任の藤井直樹元国土交通事務次官については「航空行政の経験を十分に持ち、成田空港の課題に手腕を発揮できる。後輩の中で一番信頼している」と高く評価し、滑走路の延長・新設などの課題を解決していくことに強い期待を表明した。
最後の定例会見に臨んだ田村社長
(藤原秀行)