サステナビリティ向上と環境負荷低減の施策進捗を紹介、3年間でさらに8500台採用
ヤマト運輸は6月23日、東京都内の本社で、物流事業のサステナビリティ(持続可能性)向上と環境負荷低減のための具体先な施策についてメディア向けの説明会を開催した。
グループとして設定している「2030年に温室効果ガス排出量を20年度実績比48%削減」「2050年に排出量実質ゼロ」の目標設置に向け、既に取り組んでいる「集配車両の約6割をEV(電気自動車)化」など4つの主要施策の今年3月時点の進捗状況を解説した。
2025年度に推進する施策として、バッテリー交換式EVの利用拡大へメーカーと実証を進めるとともに、グループのヤマトエナジーマネジメントが電力小売事業を開始するほか、営業所を配置しているエリア内で電力の使用を最適化する取り組みも展開することを明らかにした。
4つの主要政策に関し、EVを2万3500台導入するとの目標に対して2割弱の約4200台を配備しており、2027年までの3年間でさらに8500台を追加する計画という。
また、営業拠点などに太陽光発電設備810基を設置する計画に対しては、2割弱の約130基を採用。「2030年までにドライアイスの使用量ゼロの運用構築」に関しては約8万2000tのCO2を削減し、「再生可能エネルギー由来電力の使用率を全体の70%まで向上」については58%まで到達しているという。
30年度に温室効果ガス排出量48%削減の目標と比べると、15%削減まで届いており、25年度中には20%削減まで高められる見通しで、ヤマトは計画通り進捗していると強調している。
EV活用については、夜間に車両の充電を一斉に行うと電力使用のピークが偏ってしまい電力の基本料金上昇につながることから、充電を平準化するエネルギーマネジメントシステム(EMS)を徐々に採用していることにも言及。
また地域の再エネ発電事業者と連携し、各エリアの電力を賄うことにも引き続き取り組んでいるとアピールした。
既に公表している通り、今年9月には三菱ふそうトラック・バスや三菱自動車工業などと組み、バッテリー交換式EVの実用化に向けた実証を始めることをあらためて紹介。社用が稼働している間もスペアのバッテリーを充電できるようにして車両の稼働率を上げることを目指す。
(藤原秀行)