パルシステム、冷蔵・冷凍温度帯の商品届ける保冷箱に100%リサイクルの発泡スチロール採用

パルシステム、冷蔵・冷凍温度帯の商品届ける保冷箱に100%リサイクルの発泡スチロール採用

強度など実証経て2年かけ実現、原材料使用量抑制図る

関東地方の生活協同組合で構成するパルシステム連合会は7月4日、冷蔵・冷凍温度帯の商品を配達する際に使用する保冷箱(シッパー)に関し、100%リサイクル原料で製造した発泡スチロールを本格的に導入すると発表した。

初年度の2025年度は、原料のポリスチレン換算で最大150tの使用削減を見込む。将来は現在使用している全量300tの切り替えを目指す。

 
 

リサイクル原料は、破損や経年劣化などで回収した発泡スチロールなどを再生し、製造している。バージン原料と呼ばれる石油由来の原料を使用したものと強度が異なるため、パルシステムでは2023年から、強度や品質保持の試験を続け、最適な仕様を検討してきた。

導入に当たり、リサイクル原料で製造される保冷箱は「本体」と「ふた」に分けて運用。このうち、ふたは既に本格導入を始めており、約20%を切り替えた。本体は順次、導入を進め最大で約50%を切り替える見通し。

パルシステムは現在、原料のポリスチレン換算で年間約300tを使用しており、半数が切り替われば約150tの使用を抑えられると見込む。

切り替えにあわせ、リサイクル原料を使用した保冷箱のデザインをリニューアルする。キャラクターのこんせんくんにリサイクルを連想できる図柄をあしらい、リサイクル原料を使用していることを明記する。


順次導入する再生材100%の本体


リニューアルしたふたのデザイン

 
 

パルシステムはこれまでも、配達に使用するプラスチックの使用削減に努めており、温度管理する必要のない常温品を届ける折り畳みコンテナは2022年から、底と枠の部分にリサイクル材を導入し、プラスチック使用量を年間16t削減している。商品をまとめる袋も2023年から、一部で再生原料を配合したものを使っている。


再生材を使用した折り畳みコンテナ

そのほか、配達箱の再利用やまとめ袋の回収とリサイクルなど、循環型の配達システムを活用することでプラスチックの使用削減につなげている。

(藤原秀行)※いずれもパルシステム提供

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