市場拡大に対応、1万台規模のヤード整備へ
豊田通商と日本郵船は7月23日、フランスのAfrica Global Logistics(アフリカ・グローバル・ロジスティクス)と組んで建設を続けていた、エジプトで初となる自動車専用ターミナル「Suez Canal Automotive Terminal」(スエズ・カナル・オートモーティブ・ターミナル、SCAT)が東ポートサイード港で完成し、7月1日に開業したと発表した。
エジプトは人口増加と経済発展に伴い自動車市場が拡大しており、完成車の輸入増加に加え、今後は本格的な輸出開始も見込まれている。同国の主要港、アレキサンドリア港は自動車以外の貨物も取り扱う多目的港として栄えているが、収容スペースが慢性的に不足していることなどの課題を抱えているため、新たな受け入れ港として東ポートサイード港の開発が期待されている。
SCATは大型自動車専用船2隻が同時に着岸可能な岸壁を有しており、今後は1万台規模の自動車を収容するヤードを段階的に整備していく予定。
スエズ運河の地中海側の出入口という地理的優位性を活かし、欧州・地中海地域向けの積み替え需要も取り込むことを目指す。
SCAT所在地
SCAT全景(イメージ図)
現在の状況
ターミナル名称および運営会社名 | Suez Canal Automotive Terminal |
所在地 | エジプト・アラブ共和国東ポートサイード地区 |
代表者 | Ashraf Ossama |
株主 | Africa Global Logistics 50%(フランス) 豊田通商株式会社 25% 日本郵船株式会社 25% |
事業概要 | スエズ運河経済特区庁(General Authority for the Suez Canal Economic Zone)との30年間のコンセッション契約(事業運営委託契約)に基づく自動車ターミナル運営事業 |
ターミナル概要 | 岸壁 約600メートル、水深 約17.5メートル、敷地面積 約21.2ヘクタール |
収容可能台数 | 開業初期2,550台(今後段階的に10,000台まで拡大予定) |
(藤原秀行)※いずれも豊田通商と日本郵船提供