洋上風力発電のニーズ拡大などに対応図る
商船三井は7月30日、グループで海事領域のコンサルティングなどを手掛ける商船三井マリテックス(MOLMAT)がフィリピンの海事教育機Maritime Academy of Asia and the Pacific/アジア太平洋海事アカデミー(MAAP)、商船三井の船員育成のパートナーMagsaysay GroupのMagsaysay Training Center(マグサイサイ・トレーニング・センター、MTC)の2者と組み、ダイナミックポジショニング(自動船位保持装置、DP)を有する訓練施設をフィリピンに開設すると発表した。
洋上風力発電や海洋開発に関わる特殊船の運航に必要なスキルを持つ船員・技術者の育成が狙い。グループ内外の海技者・技術者に広くトレーニングの機会を提供する。初回のトレーニングコースは9月1日に開講する予定。
グループが運航する特殊船にも搭載しているDPシミュレータを使用し、洋上風力発電や洋上・海洋開発に従事する特殊船向けに必要な訓練を、実船と同様の環境下で受けられるのが特徴。
受講可能な全6コースは海事分野に必要な専門知識やスキルを備えていると世界的に証明できる英国の専門機関The Nautical Institute(ザ・ノーティカル・インスティチュート)の認定を受けている。
フィリピンなどアジア全体でDPオペレーターの需要が高まる中、フィリピン人をはじめアジアの船員や技術者に必要なスキルを提供することは、洋上再生可能エネルギー分野の成長に向けた人材育成に不可欠と判断。2者の協力を得てDPトレーニングを展開し、フィリピンで拡大し続ける海事産業のニーズに応えながら即戦力となる優秀な船員を継続的に育成し、国際社会のニーズに応えていくことを狙う。
(藤原秀行)