業績水準が想定に達せず、SGHDが特損34億円計上を公表
SGホールディングス(HD)は8月8日、傘下で3PL事業などを手掛ける佐川グローバルロジスティクス(SGL)が、中国・上海を拠点に3PL事業を展開している物流企業「上海虹迪物流科技有限公司」(RUNBOW)への出資持ち分70%の全てを、「上海格羅博特智能科技有限公司」に譲渡すると発表した。
譲渡は9月30日付で、金額は8260万元(約17億円)の予定。譲渡に伴い、RUNBOWはSGHDの連結範囲から外れる。
「上海格羅博特智能科技有限公司」はRUNBOUの株式約15%を保有している張鵬飛氏が今年7月に設立した。
RUNBOWは新型コロナウイルス禍の影響から脱して業績が回復傾向にあるものの、SGHDが想定していた水準に収益が依然として達しておらず、今後も成長できるかどうか不安が残ることを重視。
併せて、今年5月に台湾の航空フォワーダー大手Morison Express Worldwide(モリソン・エクスプレス・ワールドワイド)を買収したのに伴い、モリソンとの業務連携に注力するため、RUNBOWの出資分を手放すことにした。
SGHDは出資分譲渡に伴い、特別損失約34億円を計上する。経営責任を明確にするため、栗和田榮一会長と松本秀一社長が役員報酬月額の10%(3カ月間)、川中子勝浩取締役と山本将典執行役員が30%(3カ月間)、それぞれ自主返納する。川中子氏は6月27日付で取締役を退任した。
(藤原秀行)