「空飛ぶクルマ」開発のスカイリンクテクノロジーズ、 シードラウンドで5000万円調達

「空飛ぶクルマ」開発のスカイリンクテクノロジーズ、 シードラウンドで5000万円調達

長距離・高速移動が可能なVTOL機実用化図る

「空飛ぶクルマ」(VTOL機=垂直離着陸機)の開発を手掛ける航空系ベンチャーのスカイリンクテクノロジーズ(神戸市)は10月1日、シードラウンドで、創業期に特化したベンチャーキャピタル(VC)のmint(ミント、東京都渋谷区南平台町)をリードインベスターとして、中野智哉氏(個人投資家)と他1人から累計5000万円の資金調達を実施したと発表した。

同社はいつでもどこでも行きたい場所へ行けることをコンセプトに、長距離飛行が可能な空飛ぶクルマ(VTOL機)の研究・開発を進めている。VTOL機を実用化することでビジネス、防災、産業、観光などの移動に関する課題を解決し、ユーザーに豊かな時間を届けることを目標に掲げている。

調達した資金は機体の開発や採用・組織体制の強化に充てる。

開発している空飛ぶクルマは垂直離着陸が可能なため、従来の飛行機のような滑走路は不要で、限られたスペースに発着場を設けるだけで運用を始められる。

また、横に翼とプロペラを展開できるチルトウイング機では、スピードを向上させることが可能と想定。ヘリ型ドローンと比較すると2倍以上の速度(時速650km)を達成したという。

さらに、エンジン型を採用することで十分な航続時間を獲得。ハイスピードの実現と合わせることで1400kmの航続距離を実現できるとみている。

現時点では、チルトウイング機構の小型検証機を開発しており、その過程で取得した技術をドローンメーカーなどへ供与している。

ドローンメーカーがもともと持っているヘリ型ドローンの機体をベースに、主翼・尾翼の換装・姿勢制御プログラムを搭載することで、ゼロから開発することなくチルトウイング機構のVTOL機を生産ラインに加えられるのがメリットとみている。

今後は小型検証機の技術供与を行いながら、2027年に2人乗りの技術検証機を、30年代後半には6人乗り有人機をそれぞれ完成させ、実機の販売を行うことを目指している。

(藤原秀行)※いずれもスカイリンクテクノロジーズ提供

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