移動型郵便局ポストカーは手紙の価値再認識へ「最も実験的な挑戦」

移動型郵便局ポストカーは手紙の価値再認識へ「最も実験的な挑戦」

プロジェクトのプロデューサー・小山薫堂氏が意義を強調

日本郵便は7月19日、手紙の持つ魅力や可能性を再認識してもらうプロジェクト「&Post(アンド・ポスト)」の一環として、東京・丸の内で、日本各地の“絵はがき映え”する風景をめぐる移動型郵便局「ポストカー」の出発式を行った。

プロジェクトのプロデューサーを務める人気放送作家の小山薫堂氏があいさつし、「日本郵便としてもプロジェクトにおいて最も実験的な挑戦。ポストカーに集まった方々がコミュニケーションを取って、そこでまた1つの出会いとなり、新しい何かが生まれたらいいなと期待している。どんな場所でどんな出会いが生まれ、どんな化学反応から人々の感動が生まれるのか、見守っていただきたい」と利用を呼び掛けた。

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あいさつする小山氏

各地の郵便局員にも「お客さまと触れ合う楽しみ、幸せを肌で感じて」

ポストカーは2020年3月末までの間、全国で“絵はがき映え”する場所9カ所をめぐり、絵はがきを出してもらえるようさまざまなサポートをする予定。各地の郵便局員が「コンシェルジュ」として絵はがきの販売などを手掛ける。

小山氏は、自身の手紙に関係する経験として、18歳で放送作家としてのキャリアをスタートさせた時、最初に担った仕事がラジオ番組でリスナーから届くさまざまなはがきを読み、整理することだったと紹介。全く知らないリスナーの雰囲気や個性をはがきの文面から読み取り、つながっているような気持ちになっていたと振り返った。

また、50歳の時には「人生のハーフタイム」と称して世界一周旅行に出かけ、旅先からはがきを自分の事務所のスタッフに送って現況を伝えていたことにも触れ、「1枚のはがきではあるがいろんな思いが伝わっていた」と回顧。こうした体験を基に、直筆で人に思いを伝える文化の継承が重要との思いをにじませた。

ポストカーについては「見た目にもなかなかかっこいいデザイン。今まで手紙を出したことのないお子さんも近寄ってきてくれるのではないか」と期待を込めた。


お披露目されたポストカー

小山氏は出発式の後、ロジビズ・オンラインのインタビューに応じ、ポストカーの出来栄えについて「車の前に(日本郵便キャラクターの)ぽすくまのエンブレムが付けられていたりするなど細かい部分までこだわっているのでいい出来ではないか」と笑顔を見せた。

以前、ホテルや病院などに、手紙を書くための部屋「レタールーム」を造ったことがあり、利用している人たちが非常に幸せそうだったと回顧。「日本郵便さんこそ、そういったものをやるべきじゃないかとお話して賛同いただき、移動式郵便局が1つの目玉になるのではないかと提案した」と明かした。

ポストカーを利用する人には「ぜひご家族とか、大切な方と一緒に使っていただきたいと思うし、あるいは偶然旅先で見つけたら、ぜひご自身に手紙を書くというのもいい思い出になるのでぜひ利用してみてほしい。ポストカーを見つけたらすごくラッキー、みたいな感じになってほしい」と呼び掛けた。

コンシェルジュとなる各地の郵便局員には「普通の業務と違い、キャストという感じで、お客さまとの接点を持ってほしい。お客さまと触れ合う楽しみ、幸せを肌で感じていただければうれしい」とエールを送った。

(藤原秀行)

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