JALが国内航空会社初、資源をより有効活用可能な製法採用したバイオマス素材の貨物固縛用ストレッチフィルム導入

JALが国内航空会社初、資源をより有効活用可能な製法採用したバイオマス素材の貨物固縛用ストレッチフィルム導入

CO2排出量を年間50t削減見込む

日本航空(JAL)は9月29日、日本国内の空港で貨物の積み付けや保管時の固縛に使用するハンドリング資材として、国内航空会社で初めて原料の資源をより有効活用できる製法「マスバランス方式」を採用したバイオマス素材のストレッチフィルムを10月以降、順次導入すると発表した。

マスバランス方式は従来の製造方法と比べて原料不足の懸念が少なく、かつ従来の石油製品と同等の物性を実現することができる上、大規模な設備投資が不要なのが特徴。同方式を採用したバイオマス素材のストレッチフィルムを採用することで、CO2排出量を年間約50t削減できると見込む。



JALグループは新規石油由来の使い捨てプラスチックの削減に取り組んでおり、貨物事業では環境配慮素材を配合している資材を使用し、限られた資源の有効活用と環境負荷の低減を図っている。今回のストレッチフィルム導入により、中期経営計画ローリングプラン2025で掲げている「貨物資材への環境配慮素材配合100%」の目標を達成できるという。


ストレッチフィルムの使用イメージ


今回導入するストレッチフィルム

マスバランス方式は製品の加工・製造過程で複数の原料を混合する際、原料の混合量に応じて製品に各原料の特性を適切に割り当てる。現行の石油由来原料100%のストレッチフィルムと同等の品質を備えたフィルムの製造に際し、バイオマス素材を割り当てることが可能という。

加えて、ストレッチフィルムに配合するバイオマス素材は環境負荷の低い航空燃料SAF製造時に副産物として得られるバイオマスナフサを原料に使っており、限られた資源を最大限有効活用している。

今回のストレッチフィルムは、マスバランス方式によってバイオマス100%を割り当てた素材(ポリエチレン)を製造し、この素材を約25%相当配合している。成田空港のJALカーゴサービス・JALカーゴハンドリングで従来と同等のハンドリング品質が確保できることを検証、導入にこぎ着けた。



今回のストレッチフィルム製造には三井化学、プライムポリマー、タニックス、司化成工業の各社が協力している。

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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