法令順守と安全性、環境配慮を並行して確保
SGホールディングスは11月4日、グループで百貨店・大規模小売店向けの納品代行や館内物流を展開するワールドサプライと、不動産の賃貸・管理・開発事業を展開するSGリアルティが、茨城県つくば市に新たな拠点「谷田部センター」を開設、11月1日に本格稼働を開始したと発表した。
新拠点はSGリアルティが初めて手がけた危険物専用倉庫を含む次世代型物流施設。一般倉庫とつくば市最大級の危険物倉庫を同一敷地内に併設し、法令順守と安全性、環境配慮を兼ね備えた化粧品向けの物流サービスをワンストップで提供し、需要の伸びに対応する予定。

新設した危険物倉庫

危険物倉庫内観
香水やヘアオイルなど、アルコールや油分を多く含む化粧品は法令上「危険物」に分類されるものがあるが、危険物倉庫は立地や構造の制約から数が少なく、保管先の確保が難しくなっている。
一般倉庫と離れているため倉庫間輸送が発生し、リードタイムの延長や輸送コストの増加、CO2排出量の増大といった非効率性も課題となっていた。
ワールドサプライは2021年より、化粧品の入荷から出荷までを一貫して担う「コスメフルフィルメントサービス」を展開している。一般倉庫と危険物倉庫を同一敷地内に併設し、両倉庫を高度に連携させることで、危険物商材の保管に関する消防法の要件は満たしながら、全ての商材を1カ所の倉庫にまとめて保管した場合と同等の高効率なオペレーションを実現できると見込む。
荷主にとって、コンプライアンス順守と倉庫間輸送の解消によるリードタイム短縮、輸送コスト削減、環境負荷の低減といった明確なメリットを得られると強調している。
危険物倉庫は化粧品の特性を考慮して空調・消火設備を完備。全国でも数少ない空調付き危険物倉庫として、温度変化による品質劣化を防ぎ、商品の安全かつ衛生的な保管を可能にしているとアピールしている。
常磐自動車道の谷田部ICから約2.2kmで、都心部へのアクセスにも強みがあると想定。地盤が固く液状化リスクが低い地域であることに加え、一般倉庫には太陽光発電設備などBCP対策を考慮した設計を採用し、自然災害にも強い安全性を確保している。
■本センターの概要
| 名称 | ワールドサプライ 谷田部センター | 
| 所在地 | 茨城県つくば市谷田部字本郷3735-1 | 
| 稼働開始日 | 2025年11月1日 | 
| 主な機能 | 一般倉庫・危険物倉庫・化粧品製造所(日本語成分表示ラベル貼付対応) | 
| 区分 | 危険物倉庫(新設) | 一般倉庫 | 
| 延床面積 | 997.20㎡ | 7,813.34㎡(賃借部分) | 
| 構造 | 鉄骨造1階建て | 鉄骨造2階建て | 
| 主な設備 | 空調完備/二酸化炭素消火設備/指定数量 約3,000倍 | 空調完備/化粧品製造所完備/ドックレベラー/垂直搬送機/貨物エレベーター | 
| 特徴 | 温度変化に敏感な化粧品を安定保管/薬剤汚損リスクの低減 | 在庫管理に加えデバンニング、ラベル貼付作業など対応可能 | 
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用
          
		  	      
      

