江崎グリコグループの関西フローズン、作業負荷低減へ-25℃の冷凍倉庫にAGV導入

江崎グリコグループの関西フローズン、作業負荷低減へ-25℃の冷凍倉庫にAGV導入

愛知機械テクノシステムと共同開発、人の作業を年4928時間削減見込む

江崎グリコは12月16日、完全子会社で冷凍食品の販売や輸送などを手掛ける関西フローズン(京都府八幡市)がこのほど、広島支店(広島市)の新築移転に合わせ、マイナス25℃の冷凍倉庫に対応した無人搬送車(AGV)を導入したと発表した。

冷凍環境下の重量台車搬送を自動化し、倉庫管理システム(WES)と連携させて冷凍倉庫業務の効率を大幅に改善するとともに、社員の負荷軽減と安全性向上を図る。




(江崎グリコ提供)

AGVの製造を担う愛知機械テクノシステム(名古屋市)と江崎グリコSCM本部技術開発部、冷凍倉庫の運用知識を持つ関西フローズンの3社がそれぞれの経験や技術を持ち寄り、冷凍環境に対応した仕様を共同で開発した。

冷凍環境でも安定してバッテリー性能を維持できるよう設計し、結露や凍結によるセンサーの誤動作を防ぐ仕組みを採用。搬送と荷役作業を自動的に連動させることで、冷凍庫内の作業を効率的かつ安全に進められる仕組みを整えた。

従来、人力で行っていたマイナス25℃環境下で重量台車を牽引する作業をAGV6台で自動化。年間で約4928時間(1日換算13.5時間)の作業時間を削減し、社員の腰痛や凍傷のリスクを低減できるとみている。

搬送作業の効率化により、トラックの待機時間短縮にもつなげられると想定している。

WESとの連携では、台車の位置情報を自動で呼び出し、目的地まで届ける。ベテラン作業者の暗黙知に依存した属人化を解消するほか、冷凍環境下で社員が作業する時間を短縮し、働きやすい環境を整備する。



出荷ミス率をほぼゼロに近づけることで、作業ミスを減らし、物流品質を向上させる。

今後は効果を検証しながら全国の江崎グリコグループ物流倉庫へ順次展開し、冷凍物流の新たな標準モデルを確立したい考え。

(藤原秀行)

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