取引先中小企業への価格転嫁度合い、物流は23社の半数が「下から2番目」評価

取引先中小企業への価格転嫁度合い、物流は23社の半数が「下から2番目」評価

中企庁調査結果、支払い条件は20社が最良

経済産業省中小企業庁は1月23日、下請振興法に基づき、中小企業との取引に関する価格交渉やコストアップ分の価格転嫁の実施状況の調査結果を公表した。

昨年9月の「価格交渉促進月間」のフォローアップ調査として、中企庁が昨年9~11月に全国の中小企業30万社を対象にアンケートを実施。回答した6万9988社のうち、10社以上が「主要な取引先」と指摘した552社と国の89の機関・地方公共団体が対象。中小企業が各社との取引状況を10点満点で評価し、平均点を算出、4段階でランク付けした。



価格の交渉に応じているかどうかなどの「価格交渉」、コスト上昇分のうちどの程度取引価格に転嫁したかの「価格転嫁」、代金を速やかに支払っているかなどの「支払い条件」の3点について調査した。

このうち、企業はカインズ、明石被服興業、アイ工務店の3社が「価格交渉」で最も低い評価となった。「支払い条件」は尾道造船や吉原建設など5社が最低だった。「価格転嫁」は最低評価の企業はなかった。

物流企業はメーカーの物流子会社を含めて23社が名を連ねている。

「価格交渉」で最も高い評価を得たのはヤマト運輸、日鉄物流、全農物流、JFE物流、鴻池運輸、マツダロジスティクス、上組、佐川急便、日本郵便輸送、MDロジスの10社だった。

「価格転嫁」で最高評価を獲得した物流企業はなかった。

「支払い条件」はヤマト運輸、日鉄物流、日本郵便、福山通運、アサヒロジ、全農物流、JFE物流、日本通運、鴻池運輸、センコー、トランコム、マツダロジスティクス、上組、キリングループロジスティクス、山九、クボタロジスティクス、佐川急便、日本郵便輸送、MDロジス、SBS東芝ロジスティクスの20社だった。



半面、下から2番目の評価だったのは「価格交渉」が日本郵便、福山通運、日本梱包運輸倉庫、センコー、トランコム、キリングループロジスティクス、西濃運輸、トナミ運輸、クボタロジスティクス、SBS東芝ロジスティクスの10社。

「価格転嫁」はヤマト運輸、アサヒロジ、全農物流、日本通運、センコー、トランコム、西濃運輸、トナミ運輸、クボタロジスティクス、佐川急便、日本郵便輸送、SBS東芝ロジスティクスの12社。

「支払い条件」はトナミ運輸だけだった。トナミ運輸は3項目のいずれも下から2番目の評価になった。センコー、トランコム、西濃運輸、クボタロジスティクス、SBS東芝ロジスティクスは2項目で下から2番目の評価になった。

一方、ヤマト運輸と日鉄物流、全農物流、JFE物流、鴻池運輸、マツダロジスティクス、上組、佐川急便、日本郵便輸送、MDロジスは2項目で最良の評価を得た。

物流企業の間で支払い条件の改善が進んでいる一方で、価格転嫁の進捗はまだ道半ばの状態にあることを示唆している。

物流企業の評価は以下の通り。社名は資料掲載順に記載した。★は前回調査時には名前がなく、前回調査との比較ができない。かっこ内は回答した中小企業数で、左から「価格交渉」「価格転嫁」「支払い条件」の評価。上からア、イ、ウ、エの4段階評価となっている。一番右のかっこ内は昨年8月公表の前回調査時の結果を示している。

 ヤマト運輸(99) ア・ウ・ア(イ・ウ・ア)
 日鉄物流(18) ア・イ・ア(ア・イ・ア)
 日本郵便(22) ウ・イ・ア(ア・ウ・ア)
★福山通運(11) ウ・イ・ア
 日本梱包運輸倉庫(10) ウ・イ・イ(イ・イ・ア)
★アサヒロジ(16) イ・ウ・ア
 全農物流(12) ア・ウ・ア(ア・イ・ア)
★JFE物流(12) ア・イ・ア
 日本通運(86) イ・ウ・ア(イ・イ・ア)
 鴻池運輸(14) ア・イ・ア(ア・イ・ア)
 センコー(12) ウ・ウ・ア(イ・イ・ア)
 トランコム(17) ウ・ウ・ア(イ・ウ・ア)
★マツダロジスティクス(10) ア・イ・ア
 上組(22) ア・イ・ア(ア・イ・ア)
 キリングループロジスティクス(12) ウ・イ・ア(イ・ウ・ア)
 西濃運輸(25) ウ・ウ・イ(ウ・ウ・ウ)
★トナミ運輸(10) ウ・ウ・ウ
 山九(28) イ・イ・ア(イ・イ・ア)
★クボタロジスティクス ウ・ウ・ア
 佐川急便(76) ア・ウ・ア(ア・ウ・ア)
 日本郵便輸送(28) ア・ウ・ア(ア・ウ・ア)
★MDロジス(15) ア・イ・ア
 SBS東芝ロジスティクス(11) ウ・ウ・ア(イ・イ・ア)


(藤原秀行)

調査の詳細はコチラから(中企庁ウェブサイト)

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