【現地取材】「適正原価」の枠組み議論する有識者検討会が初会合、26年中に提言取りまとめへ

【現地取材】「適正原価」の枠組み議論する有識者検討会が初会合、26年中に提言取りまとめへ

構成要素や算出方法などを想定、具体額には触れない見通し

国土交通省は7月17日、東京・霞が関の国交省内で、改正貨物自動車運送事業法など「トラック適正化2法」に基づいて2028年度に本格的に始める見通しの「適正原価」制度の枠組みを協議する有識者検討会の初会合を開いた。

国交省は2026年中をめどに提言を取りまとめるとのスケジュールを提示、了承を得た。提言には適正原価の定義や位置付け、構成要素と算出方法などを盛り込むことを想定しているが、提言の段階では具体的な金額には触れない見通しだ。

国交省は提言を踏まえ、物流政策推進会議や運輸審議会に具体的な適正原価を諮り、了承されれば告示する予定。


初会合の様子

トラック適正化2法に基づき、国交省は実際の費用に適切な利潤を加えた適正原価を告示、トラック運送事業者がその水準以下の運賃・料金で業務を受委託することを禁じる。トラック運送事業者が適正に収益を確保できるよう後押しし、ドライバーの待遇改善につなげるのが狙い。

検討会は大学教授や国交、農林水産、経済産業の3省の物流担当幹部が委員として参加。全日本トラック協会や全日本運輸産業労働組合連合会(運輸労連)、全国交通運輸労働組合総連合(交通労連)が専門委員として名を連ねている。オブザーバーとして公正取引委員会や厚生労働省、中小企業庁、日本経済団体連合会、全国通運連盟などの経済団体が加わっている。

初会合の冒頭、国交省の岡野まさ子大臣官房総括審議官兼物流統括調整官が「トラック運送業界は深刻な担い手不足に直面している。トラックドライバーの皆さんが誇りと使命感を持って魅力ある職場で活躍できるようにすることが、喫緊の課題になっている」と指摘。

「適正原価はトラックドライバーの賃上げに資する画期的な内容だと考えている。より実効性の高いものとなるよう制度設計、方向性について議論していただきたい」と語った。


岡野氏

座長に就任した山内弘隆一橋大学名誉教授は「皆さんのお知恵を借りて適正原価の基礎的な指針を出し、労働者の方々の立場を改善すると同時に、マーケット全体を効率化させていきたい」と述べた。


山内座長

会合では、国交省が主な論点案を提示。適正原価を一般貨物自動車運送事業に加え、特定貨物自動車運送事業や貨物軽自動車運送事業についても設定するかどうかや、対象となる車型・車種の単位をどう設定するか、地域の単位をどう設けるかなどを盛り込んでいる。

併せて、標準的運賃の構成要素との比較検討、「輸送の安全確保のために必要な経費」の具体的な内容、適正原価の算定に用いる期間の設定なども示している。

(藤原秀行)

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