6割強は勧告を懸念、Resilireの実態調査結果~
サプライチェーン上のリスク管理を支援するクラウドサービスを展開しているResilire(レジリア)は10月7日、製造業で金型管理や委託先との取引条件について意思決定または実務に関与する管理職・経営層300人を対象に実施した「製造業における金型管理・取適法対応の実態調査」結果を公表した。
公正取引委員会が、製造業が製品の生産に不可欠な金型を製造委託先に無償で保管させているケースを相次ぎ、旧下請法や中小受託取引適正化法(取適法)で違法と判断していることに関連し、調査では回答者の半数超が委託先に金型を無償保管させていると回答。企業規模を問わず一定割合で発生していることが浮かび上がった。
また、約2割が公取委からの指導を経験し、取適法に基づいて行政から勧告を受けることを懸念している向きは65.7%に達した。
調査は、委託先に無償で保管させている金型があるかを尋ねたところ、「ある」と回答した割合は51.3%に達した。従業員規模別では、300~999人で60.0%、1000~4999人で56.0%、5000人以上で38.0%だった。
同社は、規模が大きい企業ほど「ある」の割合は下がる一方、5000人以上では「わからない」が7.0%と他規模より高く、「実態把握自体が追いついていない可能性がある」と指摘した。
また、委託先に金型を無償で保管させ、保管費用を委託先に負担させている場合、取適法上の「不当な経済上の利益の提供要請」として勧告対象となり得ることに言及。「半数超の企業で無償保管が存在していることは、取適法対応上の重要なリスクとして捉える必要がある」と強調した。

無償保管が「ある」と回答した企業に対し、無償で保管させている金型が保有金型全体のうちどれくらいの割合を占めるかを尋ねたところ、平均割合は31.6%だった。
従業員規模別でも、300~999人で31.8%、1000~4999人で31.0%、5000人以上で32.3%と大きな差はなく、同社は「無償保管は一部の企業規模に偏った課題ではなく、企業規模を問わず一定割合で継続的に発生している」と分析している。
その上で、無償保管は「有無」だけでなく、保有金型全体に占める割合や対象金型の状態まで把握することが重要であり、委託先・品目単位で無償保管の実態を可視化し、発注停止中の金型、保管費用負担が未整理の金型、契約条件が不明確な領域から優先的に見直すことが有効と呼び掛けている。

金型の無償保管等に関して、公取委から調査・指導を受けたことがあるかどうか聞いた結果、「調査を受けたうえで、指導も受けた」は20.3%だった。「調査を受けたが、指導はなかった」も38.0%で、公取委から調査・指導など何らかの接触経験があったのはトータルで58.3%に達した。
同社は「金型の無償保管等をめぐる行政対応は、一部の企業に限られたものではなく、製造業全体で対応の必要性が高まっている。指導を受けてから対応するのではなく、平時から自主点検を行い、保管条件や費用負担の整理状況を確認できる体制を整えることが重要」と指摘している。

自社の金型管理の状況を踏まえた際、取適法に基づく行政からの勧告を受けるのではないかとの懸念があるかを尋ねたところ、「非常に懸念している」「やや懸念している」の合計は65.7%に上った。
従業員規模別に見ると、300~999人で61.0%、1000~4999人で72.0%、5000人以上で64.0%となり、全ての従業員規模で6割を超えた。同社は「企業規模にかかわらず、多くの製造業が金型管理や委託先取引における行政勧告リスクを実感していることが分かった」と説明している。
実際に、大企業を含む製造業でも金型の無償保管をめぐる勧告事例が出ていることを考慮し、同社は「金型の保管や費用負担をめぐる対応は、現場部門だけでなく、調達・購買、法務、品質、経営管理など複数部門にまたがる課題。企業には、勧告リスクを把握した上で、金型の所在・利用実態・契約条件を可視化し、全社的に是正を進める体制づくりが求められる」と訴えている。

取適法対応のために、今後着手する予定・検討している施策については(複数回答可)、「金型管理システムの導入」が51.3%でトップだった。次いで「委託先との契約書・覚書の見直し」が42.3%、「保管費用の負担ルールの策定」が35.0%、「委託先との定期協議の実施」が32.7%となり、システム面と契約・運用面の両方で対応が検討されていることが浮き彫りとなった。
同社は、取適法対応に関し、まず金型の所在や利用実態を可視化することが前提となるが、金型は一次委託先だけでなく、二次・三次委託先に渡って保管・使用されている場合もあり、発注元が実態を把握できていないと、無償保管や費用負担の未整理を見落とすリスクがあると警告。
金型管理システムの導入は、金型・品目・委託先・契約情報をひも付けて管理し、対応すべき対象を明確にするための基盤になると解説している。

■調査概要
名称:製造業における金型管理・取適法対応の実態調査
方法:インターネット調査
期間:2026年9月
対象者:製造業で金型管理や委託先との取引条件について意思決定または実務に関与する管理職・経営層
回答者数:300人
内訳:従業員規模300~999人が100、1000~4999人が100、5000人以上が100
(藤原秀行)※いずれもResilire提供











