イノフィス・古川社長が人手不足対応に期待表明、海外展開も前向き
東京理科大発のベンチャー企業で、現場作業の負荷を軽減するアシストスーツ開発・販売を手掛けるイノフィス(東京)の古川尚史社長CEO(最高経営責任者)は9月24日、東京都内で開いた新製品発表会の後、ロジビズ・オンラインの取材に応じた。
古川社長は、同社のアシストスーツ「マッスルスーツ」に対する需要は物流業界でも根強いと説明。人手不足が深刻化する中、女性やシニア層の活躍を支援する上でも機能を発揮できると期待をのぞかせるとともに、物流分野に特化したタイプのマッスルスーツ開発を着実に進めていく姿勢を強調した。
関連記事:【動画】作業負荷軽減する10万円台のアシストスーツ、介護や物流業など向け11月発売へ
新製品発表会に臨む古川社長
マッスルスーツは2014年に取り扱いを始め、今年4月時点の累計出荷数は4000台を突破している。販売実績のうちの約5割が介護、約3割が製造業で、物流と農業もそれぞれ1割程度に上るという。
古川社長は、以前より物流業界からマッスルスーツへの引き合いがあったことに触れ、装着したままフォークリフトに乗って作業できるタイプを開発してほしいといった要望が寄せられていると紹介。
「マッスルスーツは介護現場がメーン。物流でも中腰などのつらい姿勢をずっと取らないといけない現場ではお使いいただいているが、全ての現場に当てはまるわけではない。フォークリフトを絡めた作業の時にはその状況に対応した製品がいいと思っている」と述べ、物流現場に特化したタイプのマッスルスーツ開発の必要性を指摘した。
古川社長はさらに、ここ数年の物流現場の実態に言及し、「高齢の方とすごく若い女性の方がかなり物流の現場に入られるようになっている。作業内容自体は変わっていないだけに、そうした方々をアシストするものは絶対に必要」と指摘。物流現場での女性やシニア層の活躍支援にもつなげたいとの意向を示した。
同時に「物流は物を大切に扱わないといけないので、人手でやる必要がある部分が多く、完全自動化はまだまだ難しい」と語り、物流現場でマッスルスーツの需要が当面見込まれると展望、市場拡大に期待を見せた。
マッスルスーツは国内に加え、海外で19年に一部販売をスタートすることに関連し、古川社長は「海外の物流現場でも(日本でのスーツ活用場面と同じように)つらい姿勢をずっと取り続けるシーンはあると思っている」と分析、物流特化タイプのマッスルスーツを海外展開していくことにも前向きなスタンスをうかがわせた。
イノフィスが新発売する「マッスルスーツ Every」
(藤原秀行)