ゼブラ・テクノロジーズが海外意識調査
ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパンは9月20日、海外企業でオムニチャネルの物流を担当する幹部らを対象とした「フルフィルメントに関する展望調査」の結果を公表した。
回答した物流企業の39%が10年以内に注文から2時間以内の即時配達を自身が行うと予想するなど、配送スピード迅速化の動きが今後も続くと見込まれることが浮かび上がった。
また、回答企業全体の9割が、配送サービスは小売業者のブランドの一部になっているとの見方を示し、グローバル規模で物流に対する消費者の意識が向上している姿をのぞかせた。
調査は2017年、ゼブラ・テクノロジーズ・コーポレーションが調査会社に委託して実施。米国とカナダ、ブラジル、メキシコ、コロンビア、チリ、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ロシア、中国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの16カ国で2700人超を対象に実施した。日本は含まれていない。
業種の割合は小売り25%、卸売り・倉庫・保管22%、製造19%、運輸15%、eコマース・オンライン販売15%、郵便・宅配4%となっている。
8割強が配送に自動運転やドローン活用と予想
新たな配送のオプションとして、28年に行われていると予想するもののうち、「自動運転車両」が85%、「ドローン」が81%、自律移動ロボット「ドロイド」が78%など、先端技術の活用が配送現場でも普及するとの見方が多かった。
オムニチャネルの動向に関しては、小売業者の76%が、インターネット経由の注文に対応するため、店頭の在庫を使用していると回答。店舗からのネット注文品発送、店舗間の商品転送、オンライン専用フルフィルメントセンター整備なども今後さらに広がるとの見方が多く、オムニチャネル対応を重視する向きが多い現状が示された。
返品対応に関しては、小売業者の52%が追加費用を徴収しており、その約半数が今後も継続すると表明している一方、無料で返品対応している小売業者の半分超も方針を変更しない姿勢を見せており、対応が二分された。
現場業務のデジタル化については、RFIDによる在庫管理が現在の33%から28年には91%、車載モバイル端末が36%から91%、ウエアラブル端末が44%から93%など、いずれのデバイスや技術も将来は9割を越える利用率になると見込まれ、設備投資が加速することをうかがわせた。
(藤原秀行)