乾汽船が臨時株主総会の招集通知であらためて反対明言
乾汽船は10月17日、筆頭株主の資産運用会社アルファレオホールディングス(HD、東京)が請求していた臨時株主総会を11月4日午前に東京都内の乾汽船本社で開く旨を明記した株主招集通知を発表した。
アルファレオが求める乾康之社長の解任、取締役の報酬総額引き下げ、配当額の見直し、自己株式取得の4項目を株主提案として発表。同時に、乾汽船取締役会の意見として、あらためて4項目の全てに反対を表明している。
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招集通知では、アルファレオが乾社長解任の提案理由として、過去5期の平均ROE(自己資本利益率)がマイナスになっていることなどから「経営を担う取締役としてふさわしくない」と指摘。
これに対し、取締役会は「当社および当社グループの事業に関する豊富な業務経験と経営全般および管理運営業務に関する知見を有している」と評価、引き続き経営に当たることが企業価値の維持・向上に資するとの見解を示している。加えて、社外取締役3人からも「(社長としての)実績と長期的な将来計画実現の見通しを考えると、この時点での社長交代などは全く現実的ではない」との判断が示されていると言及している。
他の3項目に関しても、アルファレオと乾汽船取締役会で意見が完全に対立している。
アルファレオは9月26日時点で乾汽船株式の28・15%を保有しており、乾汽船が今年6月に開催した定時株主総会でも、乾社長ら取締役の再任や買収防衛策導入などに反対の議決権を行使していた。
(藤原秀行)