東日本と中日本、西日本の高速道路3社が「安全・安心実施計画」発表
東日本高速道路(NEXCO東日本)と中日本高速道路(NEXCO中日本)、西日本高速道路(NEXCO西日本)の高速道路3社は12月20日、国土交通省が今年9月にまとめた「高速道路における安全・安心基本計画」に基づき、事業会社として同計画に掲げられた目標を達成するための施策を列挙した「実施計画」を発表した。
3社とも将来のトラック自動運転の商業化やダブル連結トラックの普及を念頭に置き、インフラの整備を進める方針を明示した。
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NEXCO東日本は、ダブル連結トラックの運行対象路線が今年8月、圏央道と東北道まで広げられたのを受け、東北道の対象区間内のSA・PAにダブル連結トラック用駐車スペースを整備するのに加え、法令で休憩が必要となる時間帯は駐車スペースに一般車両が止まって使えないといった事態を防ぐための対策を講じる方向性を打ち出した。併せて、長距離輸送時の中継輸送に対応できる施設なども整備を検討する。
後続車無人隊列走行のトラック自動運転に関しては、本線合流部での安全対策や既存のSA・PA拡張などの対策を、先行する路線の状況を踏まえながら推進。さらに、専用の休憩スペースやトラックの連携解除拠点なども導入を図る。
NEXCO中日本も、新東名や透明、新名神、名神などの各路線にダブル連結トラック用の駐車ますを順次整備するほか、浜松いなさIC周辺に「路外駐車ます」を設けるといった新たな試みも手掛けることを明記。中継物流拠点の整備も広げていく。
後続車無人隊列倉庫については、新東名や新名神の6車線化を促進。このうち、新東名の御殿場JCT~浜松いなさJCT間(約145キロメートル)は20年度から順次開通させることを目指す。新名神の亀山西JCT~大津JCTなど(約40キロメートル)は財政投融資を使って整備を加速させ、22年度からの順次開通を目標とする。
併せて、新東名の静岡県区間を中心に、本線合流部の安全対策や既存のSA・PA拡幅などを進めるほか、20年度には合流制御方法の技術的検討、GPS精度の低下対策などに関する実証実験を行う方向だ。
NEXCO西日本は、ダブル連結トラックが確実に駐車可能となる予約システムの導入などについて検討を進める方針を明示。新名神を計画的に6車線化していくとともに、中国道など4車線の路線に関し、山陽道など並行する他の路線も含めた機能分担で隊列走行専用の走行空間確保を図る方向性を出している。
(藤原秀行)