専用システム導入し特車の通行許可不要に、「ETC2・0」搭載など条件

専用システム導入し特車の通行許可不要に、「ETC2・0」搭載など条件

国交省が道路法改正案を提出へ

国土交通省は、一定の大きさや重量を超える特殊車両(特車)が公道を走る際に必要な現行の通行許可に関する手続きを抜本的に見直し、条件を満たせば不要とする方針だ。開会中の通常国会に2月上旬をめどに、道路法の改正案を提出、成立すれば2021年度にも実施したい考え。

現状では走行する経路ごとに、特車が道路や橋、トンネルを安全に通れるかどうかや交差点を無事に曲がることができるかなどを確認して道路管理者の国や自治体に申請、事前に許可を得る必要がある。出発地と到着地が同じでも途中の経路を変更すればその都度申請し直さなければならない。

東京オリンピック・パラリンピックを控えた各種施設の建設需要が高まり、大型クレーンなどを運搬する特車を使うケースが増えているため、審査に時間を要している。トラックドライバー不足で特車を大幅に増やすのが難しい中、審査の迅速化が求められていた。国交省はオンライン申請を促進するなど審査日数短縮を図ってきたが、ITを活用してより対策を強化することにした。

今後は全国の道路に関する情報を電子データ化して収録した専用システムを開発。運送事業者や建設事業者は車両の大きさや積載量などをシステムに登録しておけば、走行前に発着地を入力して通行可能なルートを検索した上で自由に走行できるよう改める。システム登録には、実際に通った経路を走行後に確認可能な「ETC2・0」を特車に搭載しておくことなどを条件とする見通し。

(藤原秀行)

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