物流施設の付帯施設内で約30種類展示、入荷から出荷までフルオートメーション化しデモ
三井不動産は2月13日、千葉県船橋市の物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)船橋Ⅱ」の敷地内に開設した付帯施設「MFLP船橋・&GATE」にこのほど完成した先進的ロボットなどの物流現場向け自動化・省人化機器に関するショールーム「MFLP ICT LABO 2.0」をメディアに公開した。
自動倉庫システムや搬送ロボット、双腕ロボットなど約30種類の機器を導入。実際に荷物を搬入した後にコンテナからの商品搬出、入庫、ピッキング、トラック積載までの一連の動きをフルオートメーション化してデモを行っており、来場者はそれぞれの過程でどのような機器が有効なのかを実際にショールームで確認できるのが特徴だ。同日オープンしており、見学希望者は予約が必要。
同社は2017年、隣接する物流施設「MFLP船橋Ⅰ」内に同様のショールーム「MFLP ICT LABO」(約130平方メートル)をオープン。延べ250社以上の企業担当者らが見学に訪れるなど、高い関心を集めたのを踏まえ、面積を約10倍の約1000平方メートルに拡張するとともに展示する機器の数も2倍以上に増やした。
約30種類の機器が立ち並ぶ「MFLP ICT LABO 2.0」
日本電産シンポの自動搬送台車
オカムラが扱う自動倉庫システム「オートストア」
IHI物流産業システムのピッキング用ロボット
三菱ロジスネクストの無人フォークリフトがコンテナから荷物を降ろし(左)、ラックに格納
同社は18年、物流業務に関するさまざまなソリューションを手掛けるコンサルティング会社MFソリューションズを立ち上げるなど、単なる倉庫スペース提供にとどまらず、物流全般の効率化へ関与を深めようとしている。物流現場の人手不足に改善の兆しが見えない中、「MFLP ICT LABO 2.0」を軸に据え、さらに取り組みを強化していくことで業務効率化に貢献していきたい考えだ。
「MFLP ICT LABO 2.0」の展示には最初のショールームにも置かれていたオカムラが取り扱う自動倉庫システム「オートストア」などのほか、新たに三菱ロジスネクストの無人フォークリフトシステム、ギークプラスの棚移動ロボット「EVE」、IHI物流産業システムの高速仕分けが可能な自動倉庫システム「シャトル&サーバー」などを採用。
アパレルのECでは不可欠な、「ささげ」(衣類の採寸、ウェブサイト掲載用の写真撮影と商品説明原稿の執筆)と呼ばれる工程を効率化するため、撮影した画像から自動で商品の採寸や写真加工が可能なニコンシステムの「SAI SOON」なども展示している。
入出荷から搬送、ピッキング、仕分け・梱包・検品といった各工程でそれぞれ先進機器を間近に見られるよう配置。併せて、来場者向けのコンサルティングルームも設置している。
(藤原秀行)