横浜冷凍が茨城・つくばで新冷蔵倉庫完成、国内外の収容能力100万トン突破

横浜冷凍が茨城・つくばで新冷蔵倉庫完成、国内外の収容能力100万トン突破

圏央道エリア6拠点目、電動式移動ラックやカーゴナビゲーションシステムを全フロア導入

横浜冷凍(ヨコレイ)は2月27日、茨城県つくば市でこのほど完成した新たな冷蔵倉庫「つくば物流センター」の完成記念式典を行った。

地上3階建て、延べ床面積2万273平方メートル、庫腹トン数は2万4725トン(F級2万4161トン、C級564トン)。同社の倉庫としては関東で13拠点目、圏央道エリアでは6拠点目となる。新センター完成で同社が国内外で展開している冷蔵倉庫の収容能力は100万トンの大台を突破した。


「つくば物流センター」の外観(ヨコレイ提供)

新倉庫は常磐道の谷田部ICから3キロメートル、圏央道のつくば中央ICから7キロメートルに位置し、常磐道と圏央道が交差するつくばJCTにも近接している。首都圏全域にアクセス可能な地の利の良さを生かし、既存の圏央道沿い5拠点と連携して広域をカバーできるコールドチェーンを展開する。

新倉庫の近隣には食品メーカーが集積しているため、同社は工場向け原料や冷凍食品のストック需要が見込める上、地場産品や北海道から茨城・大洗港を経たフェリー貨物の受け入れも視野に入れている。


約1900枚の太陽光パネルで618・8キロワットの発電が可能


二酸化炭素とアンモニアの2種類の自然冷媒を使った冷却設備「NiCRESU(ニクレス)」を導入

吉川会長「陸海空の物流が集中する当社のランドマーク的センターに」

庫内の冷却方法は、温度変化が非常に少ない自然対流冷却方式を用いているほか、1階の荷さばきエリアには外気やちりの進入を抑える高効率陽圧除湿空調システム(DEMS)を設置。さらに、長谷川鉄工製の自然対流・輻射冷却システム「Yuricargo(ユリカーゴ)」を日本で初めて使うなど、貨物の品質を維持するための高度な技術を採用。

併せて、冷蔵倉庫現場の人手不足深刻化を考慮し、電動式移動ラックとフォークリフトに取り付けて入出庫を効率化するカーゴナビゲーションシステムを同社としては初めて全てのフロアに導入。トラック予約システムも利用するなど、省人化・省力化にも目配りしている。食の安全への意識の高まりを踏まえ、各階、各フロアに入退館システムと全方位カメラを取り付け、異物混入などのリスク解消を図る。

現地で行った神事の後、ヨコレイの吉川俊雄会長は「陸海空の物流が集中する当社のランドマーク的な物流センターになると思う」とあいさつ、高機能に自信を見せた。


全てのフロアに導入した電動式移動ラック


冷蔵保管エリア


カーゴナビゲーションシステム。ハンディスキャナーで貨物のコードを読み取れば保管位置などの情報を得られる(左)。ラックの前で番号などを入力すると自動的に目的の場所が開く仕組み(右)


あいさつする吉川会長

(藤原秀行)

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