27億円規模、投資済みの「レイターステージ」企業対象に一段の成長後押し
独立系のベンチャーキャピタルCoral Capital(東京)は4月13日、新たなファンド「Coral Growth」を組成したと発表した。
Coral Capitalが既に投資、支援しているスタートアップ企業のうち、順調に事業が成長して株式公開が視野に入っている「レイターステージ」の企業が対象で、ファンド規模は27億円。今後2年間にわたり、コアファンドから出資している3〜5社のレイターステージ企業に投資し、さらなる成長を後押しする計画だ。
新型コロナウイルスの感染拡大で景気低迷が懸念される中、新ファンド組成は有望な事業を展開しているスタートアップ企業にとっては朗報となりそうだ。
Coral Capital代表兼創業パートナーのジェームズ・ライニー氏は組成の背景として「新型コロナウイルスにより市場が打撃を受け、今後2年間、日本のレイターステージの資金調達における課題はより顕著になることが予想される。日本ではレイターステージの資金調達は事業会社からの出資に大きく依存しているが、それらのストラテジックインベスターが真っ先に撤退するのではないかと私たちは予想している」と指摘。
「一方で、私たちのポートフォリオには(クラウドベースの人事労務ソフトを展開している)SmartHRの成功に続くポテンシャルを備えていると考えられる複数の企業がある。これら2つの要素による複合的な影響を受ける中、追加資金を用意し、強い確信が持てる企業への継続的な投資を景気後退時においても可能にできたことを、私たちは誇りに思う」と述べている。
Coral Capitalのメンバー(同社提供)※クリックで拡大
(藤原秀行)