運賃は3年前の水準に低下、コロナの影響鮮明
※昨日配信の記事に内容を追加、全面的に差し替えました
全日本トラック協会と日本貨物運送協同組合連合会が6月1日まとめた求荷求車情報ネットワーク「WebKIT」の稼働状況によると、5月末時点の荷物情報(求車登録)件数は前年同月比65・5%減の3万5840だった。
2019年5月以来、13カ月続けて前年の水準を下回った。19年6月以降は2桁の減少幅となり、同10月からは3割超の大幅な落ち込みを記録し続けている。減少率が2カ月連続で6割に達したのは、現時点で単月の数値を確認できる14年以降では初めてとみられる。
19年は豪雨で鉄道貨物輸送がストップしたために件数が急増した18年からの反動が生じていたが、20年に入っての件数激減は新型コロナウイルスの感染拡大による国内外の経済情勢悪化が運送業界にも影響していることを鮮明に示している。5月は求車の成約件数も22・8%減の1万6525にとどまった。
一方、5月の成約運賃指数(10年4月=100)は116で、前月からは4ポイント、前年同月からは12ポイントそれぞれ低下した。指数が下がるのは前年同月比では9カ月連続。直近で17年7月(113)以来、約3年前の水準まで下落した。荷物の減少が上昇傾向にあった運賃にも冷や水を浴びせている格好だ。
(藤原秀行)