KYBの不適合装置「施設名公表へ引き続き所有者に説明を」

KYBの不適合装置「施設名公表へ引き続き所有者に説明を」

石井国交相が閣議後会見で表明

 石井啓一国土交通相は10月23日午前の閣議後記者会見で、KYBと子会社のカヤバシステムマシナリー(KSM)による建物用免震・制振装置の検査データ改ざん問題に関連し、当該装置を使っている施設の具体名公表が進んでいないことについて「不特定多数の人が利用する庁舎・病院などの施設は早急に所有者の理解を得て、公表するよう両社を指導してきている。(多くの人が出入りする)その他の施設についても、引き続き所有者などの理解が得られる件については(詳細を)公表するよう指導していく」との考えを示した。

 KYBとKSMは今月19日、改ざんした疑いがあるものを含め、当該装置を利用している施設70件を公表したが、全体の987件の1割にも達していない。両社は不特定多数の人が出入りする庁舎や病院など公的施設を優先して所有者に説明、了解を得られれば名前を随時発表していく構えだが、民間施設については公表開始のめどが全く立っていない。

 石井国交相は会見で「まず所有者などの連絡先を(装置)納入先の建設業者に確認する必要があり、この手続きに時間を要しているためと聞いている」と指摘。人員増強など説明体制の充実を図るよう今後も両社に求めていくことを強調した。

(藤原秀行)


閣議後の記者会見に臨む石井国交相

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