【動画】MUJIN、東京・辰巳のロボットセンター特別内覧会を実施

【動画】MUJIN、東京・辰巳のロボットセンター特別内覧会を実施

デパレタイズなど4種類の先進ソリューション公開、物流・製造現場の生産性向上効果PR

※本文を一部修正しました

産業用ロボットの制御技術開発を手掛けるMUJINは7月28日、東京・江東区辰巳の本社オフィスに併設している、各種ロボットのデモンストレーションなどを実施している専用施設「MUJINロボットセンター」の特別内覧会を開催した。

同センターは2019年、本社の移転に合わせて開設した。異なるサイズの荷物をパレットから迅速に積み降ろしするデパレタイズロボットなど4種類の先進的な自動化ソリューションを公開。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって省人化が求められている物流・製造現場の生産性を向上できると性能をPRした。内覧会は7月30日まで事前予約制で実施している。


ロボットセンターのエントランス(写真は全てクリックで拡大)

「混載」のデパレタイズに対応

デモンストレーションのエリアに設置された4種類のソリューションのうち「混載デパレタイズシステム」は、さまざまな商品を詰めた段ボールのケースを混載したパレットからハンドが大きさや重量を自動で考慮、適切な速度でコンベヤーへ搬送できるのが特徴だ。

一度つかんだ段ボールのサイズや模様、重さなどの情報はデータベースに蓄積するため、次回以降の作業は人が教え込まなくても、よりスムーズに処理できるようになる。新商品が出て段ボールのサイズや模様が変わってもすみやかに対応が可能。現状は1時間当たり約550ケースを処理できるという。


混載デパレタイズシステム


ケースの大きさなどを自動把握

「混載通い箱段バラシロボット」は、パレットに積み上げられたコンテナ(通い箱)のサイズを高性能カメラで読み取り、ロボット先端のハンドの大きさを自動で調整してコンテナの端を2方向からつかんで1個ずつ持ち上げ、降ろしていくとの流れだ。AGV(無人搬送車)と組み合わせれば保管・搬送に至るまでの過程を自動化できる。ふた付きのコンテナでも作業が可能なハンドを現在開発中という。

併せて、ハンドを自動的に切り替え、段ボールとコンテナを1台のロボットで対応できるようにすることを目指し、開発を進めている。機能を高め、より顧客の作業効率化へ貢献したい考えだ。


箱バラシロボット


箱バラシロボットの先端に取り付けられているハンド

納品先のニーズに細かく応えた積み付けを実現

「パレタイズロボット」はパレットやかご車、カートラックのいずれに対しても積み付けができるよう設計。独自のアルゴリズムでそれぞれの搬送什器に最も即した積み付け方を計算する機能を搭載している。

かご車の場合は1時間で400ケース程度を扱える。同じ製品はまとめて積み上げ、後の作業を容易にするなど、納品先のニーズに細かく応えた積み付けを実現できるのが強みという。天井に取り付けたカメラが積み付けている状態を常時監視し、万が一荷崩れが発生した場合はすぐに作業をストップする安全機能も備える。


パレタイズロボット

「ピースピッキングロボット+CTU」は、多岐にわたる商品の形状、材質をシステムに事前登録しなくても瞬時に読み取ってオリコンなどにピックした商品を納めるピースピッキングロボットと、コンテナ自動保管用無人搬送車(CTU=Container Transfer Unit)を連動。CTUは高さ約4・2メートルまで届き、最大で5個のコンテナを同時に搬送、棚に収めたり棚から引き出したりできるため、保管効率を安価で高められるのがメリットという。他にも、最大800キログラムを搬送できるAGVをお披露目した。


自律的に移動するCTU


最大可搬重量800キログラムのAGV

MUJIN営業本部物流営業部統括の藤巻陽二朗氏は、同社が得意としている「モーションプランニングAI(人工知能)」を展示のソリューションでも生かしていると解説。「AIで一般的なディープラーニングの手法ではロジックがブラックボックス化してしまい、失敗が生じた場合にロジックを追うことができず、次に成功するかどうかが保証できないため(高額の商品を扱うなど)失敗が許されない現場ではリスクになる場合がある」と指摘し、人間がティーチングせず、制約条件をあらかじめ与えた上でロボットが自律的に動作を生成するモーションプランニングが今後もソリューション開発の基本との位置付けは変わらないと強調した。


センターに隣接する従業員向けカフェ。20カ国以上から集まっているだけに料理は“多国籍ビュッフェ”としたり、表示は英語を用いたりと細かな配慮を施している

(藤原秀行)

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