21年中の開始念頭に、物流業界初か
日本通運が全社的に電子契約を導入する準備を進めていることが分かった。新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークを進めている中、取引先との契約を電子化して一段と業務を効率化するとともに、契約関連での出社機会を減らしたい考え。紙の契約書より紛失などのリスクを低減できると見込む。
物流業界でグループ全体を対象として電子契約を取り入れるのは初めてとみられる。今後業界内で採用を検討する動きが広がりそうだ。
同社の100%子会社でビジネス文書保管などを担うワンビシアーカイブズ(東京都港区虎ノ門)が手掛けている電子契約システム「WAN-Sign」を活用。グループの契約書をPDFファイル化して電子署名で契約を結び、クラウドベースで保存、管理することを想定している。2021年のスタートを念頭に置いているもようだ。
ワンビシアーカイブズは企業間でテレワークが広がっていることも踏まえ、WAN-Signに関して電子契約の過去申請内容をコピーできる機能などを追加、利用促進を図っている。
(藤原秀行)