アマガサとクルーズが商品出荷めぐり対立、損害賠償訴訟に

アマガサとクルーズが商品出荷めぐり対立、損害賠償訴訟に

契約違反などとお互いに批判、主張は平行線

「JELLY BEANS(ジェリービーンズ)」ブランドの婦人靴を展開しているアマガサは9月3日、クルーズと傘下で物流業務などを担うCROOZ EC Partners(CEP)、CROOZ SHOPLISTの計3社を相手取り、約9400万円の損害賠償請求を求めて東京地裁に同日提訴したと発表した。

CEPがアマガサの物流センターからの商品出荷を拒むなどしたため、春夏物のアイテムを販売できなかったと主張している。これに対し、クルーズは9月4日、CEPが出荷を拒否した事実はないなどと反論、真っ向から対立している。

アマガサが9月3日開示したプレスリリースによれば、CEPがアマガサから業務を受託していた神奈川県相模原市の物流拠点「相模原SHOPLIST物流センター」で、今年6月下旬以降にCEPが出荷を拒否。アマガサは8月に出荷を拒まれていた商品5万足超の即時引き渡しを要求して東京地裁に仮処分命令を申し立てた後に和解が成立し、全品引き渡しを受けたものの、春夏物商品は時機を逃して販売できず、損害を被ったと説明している。

一方、クルーズは9月4日に反論する内容のプレスリリースを公表。アマガサの都合で全ての機材と商品を他社に移管したいとの申し出があり、CEPが正常な取引を継続したいことなどを申し入れたがアマガサは聞き入れず、移管の仮処分を求める訴訟手続きを取ったと解説している。CEPはアマガサの契約違反と過去の通常取引における未回収分として合計約4億5000万円を請求しており、訴訟を起こすことを準備しているという。

さらに、訴訟の対象にクルーズとSHOPLISTを加えたことについて「全く無関係。公表内容は青天の霹靂であり、誠に遺憾」と表明。アマガサに名誉棄損や業務妨害、不当な訴訟などを理由に損害賠償請求を起こすことも視野に入れていると強調している。

このプレスリリースを受け、アマガサも9月4日夜に再反論のプレスリリースを開示。請求されている約4億5000万円について「未回収金は一切発生していない」などと強く否定、契約違反の事実もないと訴えている。アマガサとクルーズの主張は完全に平行線をたどっている。

(藤原秀行)

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