公取委がアマゾンジャパンの自主改善計画を認定、1400社に20億円返金へ

公取委がアマゾンジャパンの自主改善計画を認定、1400社に20億円返金へ

納入業者に値引き額の一部補填など要求、独禁法違反の疑いで調査

公正取引委員会は9月10日、アマゾンジャパンが自社の通販サイトで販売している商品の納入業者に値引き額の一部を補填するよう求めるなどしたことに対し、公取委が独占禁止法違反の疑いで調査していた問題で、アマゾンジャパンが提出した当該行為を自主的に改善する計画を認定したと発表した。

認定は同日付で、計画に沿ってアマゾンジャパンは納入業者約1400社に総額約20億円を返金。その代わりに公取委は同社への行政処分を見送る方針だ。

公取委によれば、アマゾンジャパンは2016年5月以降、自社の通販サイトで販売する日用品や小型家電、おもちゃ、スポーツ用品などの納入業者に対し、値引き額の一部補填や過剰在庫の返品に応じさせていた。さらに、仕入れ価格の数%から10%に相当する金額を「協賛金」の名目で徴収していたという。

公取委はこうした一連の行為が独禁法で禁じている、取引上の強い立場を悪用して相手に不利益を生じさせる「優越的地位の乱用」に該当する疑いがあると判断。18年3月に同社へ立ち入り検査を行っていた。

公取委によると、アマゾンジャパンが提出した改善計画は、当該行為を取りやめ、納入業者に及ぼした損害相当分を返金するとともに、「協賛金」の仕組みを見直す方針を明記。併せて、計画に盛り込んだ措置の履行状況を今後3年間、毎年公取委へ報告することも約束している。

今回アマゾンが申請した「確約手続き」は独禁法に抵触する問題行為の調査を受けた事業者が自主的に改善する計画を提出し、行政処分を免除するよう求めることが可能な制度。18年に導入し、公取委が計画を承認すれば課徴金の納付命令などの行政処分を免除する。適用は今回で5例目。

(藤原秀行)

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