3分の1超の株取得目指す、事業領域拡大図る
福岡を地盤とする麻生グループのASTSホールディングスが、東京証券取引所1部上場の水産卸大手、東都水産に株式公開買い付け(TOB)を実施することが分かった。東都水産が11月9日、公表した。
麻生グループの中核の麻生は現在、東都水産株の1・62%を所有している。麻生グループは今回のTOBにより、3分の1超の株式取得を目指す。議決権ベースで50%以上を保有し、連結子会社化する可能性もあるという。買い付けの上限は設定していない。
麻生グループは東都水産と連携し、水産などの領域への事業拡大を目指す。東都水産は麻生と資本・業務提携を結んだと発表した。TOBは1株当たり4550円で、期間は11月30日から12月22日まで。東都水産は11月9日、TOBに賛同する意向を表明した。TOBが成立しても東証1部への上場は維持する見込みだ。
麻生グループは建築・土木や医療など事業の多角化を進め、2020年3月期の連結売上高は2312億円、グループの企業数は4月1日時点で101(協力提携法人・機関含む)に上る。麻生の麻生泰会長は麻生太郎副首相・財務相の弟。
(藤原秀行)