コロナ禍で停滞の経済活動再開が追い風、水準自体は依然低く
全日本トラック協会は11月13日、4半期ごとに実施しているトラック運送業界の景況感調査結果を公表した。
業界の景況感を表す指数は今年7~9月期がマイナス91・7で、前期(4~6月)から20・8ポイント上昇した。指数が改善したのは4四半期ぶり。
先行き(今年10~12月)の見通しもマイナス78・5と13・2ポイント改善する見込み。新型コロナウイルスの感染拡大で停滞していた経済活動が再開されていることなどが追い風となったようだ。ただ、水準自体はリーマンショック後に次ぐ低さにとどまっており、まだ手放しでは喜べない状況だ。
個別の項目を見ると、「宅配貨物」に関しては、コロナ禍による外出自粛でインターネット通販の利用が急増したのを受け、輸送数量の指数が前期から64・8ポイント上昇し142・9と大幅に伸びたほか、営業収入(売上高)も66・9ポイントアップし135・7に達するなど好調だった。ただ、輸送数量の10~12月見通しは71・4で大幅なダウンになっている。
(藤原秀行)