営業車両の運行効率改善支援などソリューション強化の投資資金獲得図る
パイオニアは3月10日、デジタル地図作成を手掛ける子会社のインクリメント・ピー(インクリメントP、東京都文京区本駒込)を、投資ファンドのポラリス・キャピタル・グループに6月1日付で売却すると発表した。
インクリメントPはカーナビゲーションシステム向けの地図データ開発を担っているほか、地図サービス「グーグルマップ」などにデータを提供。自動運転技術の開発にも乗り出している。
パイオニアはプラズマテレビの不振やカーナビ市場縮小などのあおりを受けて業績が悪化。2019年には投資ファンドのベアリング・プライベート・エクイティ・アジアの傘下に入って株式を非公開化、経営再建を進めている。
現在は車両の走行データを収集・分析してトラックの運行効率改善支援や交通事故削減につなげるソリューションサービスに注力している。インクリメントPをポラリスに譲渡することで、ソリューション拡大のための投資資金を獲得したい考え。
パイオニアは売却後もインクリメントPと連携、新サービスの開発などを進める。譲渡額は開示していないが、数百億円規模とみられる。
(藤原秀行)