1周約3キロメートル、10月から実際の運航便向けに試験運用目指す
全日本空輸(ANA)と豊田自動織機は3月22日、羽田空港で自動運転トーイングトラクター(手荷物などをけん引する専用車両)の実用化に向けた実証実験を初めて実施すると発表した。
期間は3月29日~4月5日。羽田空港の制限区域内で豊田自動織機が開発した自動運転トーイングトラクターを投入し、安全かつスムーズに走行するための検証を行う。
両社は2019年2月から九州佐賀国際空港と中部国際空港で、自動運転トーイングトラクターの実証実験と試験運用を重ねてきた。国内最大の羽田空港に実験の場所を移し、走行条件が厳しい中でも運用できるかどうかを見極める。
時速は最大15キロメートルで、西貨物上屋から407番スポットを経て再び西貨物上屋へ戻る1周約3キロメートル、15分のコースを走る。今年10月から実際に運航している便向けに試験運用を始めたい考え。
新たに開発した自動運転トーイングトラクターは自己位置推定性能を備え、けん引重量の増加や坂路走行にも対応可能。特製の樹脂ウインドウをキャビン部分に使い、車両の安全性とデザイン性のバランスを取るとともに軽量化を実現した。両社は25年の無人搬送実現を目指す。
自動運転トーイングトラクター(両社プレスリリースより引用)
(藤原秀行)