ニチレイの21年度低温物流事業は売上高6%増の2240億円計画、オランダ・ロッテルダムで冷蔵倉庫増設へ

ニチレイの21年度低温物流事業は売上高6%増の2240億円計画、オランダ・ロッテルダムで冷蔵倉庫増設へ

輸配送事業が好調持続と予想、荷動き回復見込む

ニチレイは5月11日、2021年3月期決算のメディア向け説明会をオンラインで開催した。

ニチレイロジグループ本社を核とする低温物流事業に関しては、売上高が前期比3%増の2123億円、営業利益が11%増の131億円だった。新型コロナウイルスの感染拡大で冷凍食品などの“巣ごもり需要”が伸び、量販店向けのTC(通過型センター)事業や家庭用冷凍食品などの保管貨物の取り扱いが好調だった。

昨年4月に名古屋市で開設した「名古屋みなと物流センター」が安定稼働したことや、経費抑制・業務効率化を進めたことも収益アップに寄与した。海外は欧州で果汁貨物や外食店舗向け配送業務などが低迷したものの、業務の作業効率向上や車両調達コスト減少などで増益を確保した。

22年3月期は売上高が6%増の2240億円、営業利益が3%増の135億円を見込む。輸配送事業が好調を持続するほか、業務用商材の荷動きが下半期に回復へ向かうのに伴う地域保管の在庫改善促進などが追い風になると想定している。

今期の施策としては、設備投資に欧州地域での冷蔵倉庫増設などにほぼ前期並みの198億円を投じる計画を立てており、グループ合計(433億円)の4割強を占める。

主なものとしては、オランダのロッテルダム港湾地区で1700万ユーロ(約22億円)を投じ、1万4000パレットの収容能力を持つ冷凍倉庫を増設、今年7月に稼働を始める予定。フランスもリヨンで10月、ルアーブルで12月にそれぞれ増設した倉庫が稼働をスタートする見通し。各拠点が集荷量拡大などに貢献すると予想している。

ニチレイの大櫛顕也社長は説明会で、欧州地域に関し「外食店舗はまだ物量が厳しい地域があるが、量販店は逆に増加しており、トータルとしては取り扱う貨物は増えてくると見込んでいる。コロナ禍の収束も日本や他の地域より早そうなので、当初描いている計画の線上には(業績が)乗ってくるとみている」と前向きに展望した。


ロッテルダムで増設する冷蔵倉庫のイメージ(ニチレイ決算説明資料より引用)

(藤原秀行)

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