12・2万平方メートルで太陽光発電など展開、ZEB認証取得も
三井不動産は5月12日、神奈川県海老名市で開発するマルチテナント型物流施設「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)海老名Ⅰ」に関し、同社で初めて再生可能エネルギーを積極的に使い、CO2排出量を実質的にゼロまで抑える「グリーンエネルギー倉庫」にする計画を公表した。
鉄骨造・免震構造で地上6階建て、延べ床面積は約12万2200平方メートルを計画。竣工は2022年9月の予定。
「MFLP海老名Ⅰ」の完成イメージ(以下、いずれも三井不動産提供)
新施設は省エネ設備の活用でエネルギーの正味消費量をゼロにした建物を対象とする「ZEB認証」を取得する計画で、屋根には発電量が年間約220万キロワット時の太陽光発電設備を設置。オンサイトで発電・供給するとともに、三井不動産が手掛けているテナントや共同事業オーナー向けの「グリーン電力提供サービス」を使い、施設内で使用する電力の100%を再生可能エネルギーとして供給する体制を整備し、入居企業のESG(環境・社会・企業統治)投資のニーズに対応する。
倉庫部分を除いた共用部を含む事務所用途部分は、デシカント空調や地中熱ヒートポンプといった省エネアイテムを導入し、一次エネルギー消費に伴うCO2排出量を50%以上削減する。「グリーンエネルギー倉庫」は商標登録を申請済み。
施設の概要
オフィス設備イメージ
他にも、隣接する海老名運動公園との緩衝帯に、景観に配慮した最大貯水量2100立方メートルの雨水貯留池を設け、敷地内の雨水を一度貯留して緩やかに外部へ排水することで。災害時の備えに加えて通常は景観に配慮した水辺空間として整備する。
また、「海老名の森」として敷地全体の20%、約1万平方メートルを緑地として整備し、約1500本の高中木、約1万5000本の低木類などを植栽する。海老名運動公園との境界には公園側から借景となる桜並木を構築し、地域の景観にも配慮する。
「MFLP海老名Ⅰ」のグリーンインフライメージ
本施設の外装のデザインは「Organic Flow」をコンセプトとし、自然への敬意を込めて有機的なパターンを抽象化したファサードとする予定。木調のルーバーを配置し、四季の移ろいや日の光で刻々と表情が変化するよう工夫するとともに、建物東側の事務所棟は緑化バルコニーつきの高天井オフィスが連なり、快適なワークプレイスを提供する。
三井不動産グループは北海道の道北地方を中心に31市町村にまたがる約5000ヘクタールの森林を保有・管理しており、伐採適期を迎えた木材や森のメンテナンスにより生じた間伐材を新施設のエントランスやラウンジの仕上げ材や家具において積極的に使用、環境にも配慮したデザインを実現する。
コロナウイルス対応として、エントランスに体温測定カメラや消毒液を設置するとともに、セキュリティゲートやエレベーターを非接触型とする。施設最上階には相模川越しに丹沢連峰や富士山を一望できるラウンジを配し、従業員がリラックスできる環境を設ける。
間伐材を活用したラウンジインテリアイメージ
非接触型のセキュリティーゲートイメージ
ラウンジからの相模川越しの眺望イメージ
(藤原秀行)