一五不動産情報サービス調査、竣工10棟中7棟が満室稼働
工業用不動産に特化した不動産調査を手掛ける一五不動産情報サービスは5月31日、4月時点の賃貸物流施設市場の動向に関するリポートを公表した。
東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城の1都4県)の空室率は0・5%で、前回調査の今年1月から0・3ポイント上昇した。前回調査時より上がったのは19年4月以来、2年ぶり。
ただ、水準自体は5四半期続けて1%を下回った。2~4月に完成した10棟のうち7棟が満室で稼働しており、基本的に旺盛な需要が続いていることを示した。
今後は25物件の供給が予定されており、同社は「開発計画の多くは従来からの物流適地での開発のため、当面はリーシングが順調に進みそうだ」と分析した。
坪当たりの募集賃料は4400円で、前期から10円(0・2%)とわずかに下落した。
東京圏の空室率推移(一五不動産情報サービス資料より引用)
関西圏は1・5%、「当面は安定した需給環境」
関西圏(大阪、兵庫、京都の2府1県)の4月の空室率は1・5 %で、前期から1・3ポイント低下した。今期(2~4月)の新規供給は14・9万平方メートル、需要は26・1万平方メートルで、需給改善につながった。
同社は「21年に竣工する開発物件のうち約8割が内陸部で、プレリーシングはおおむね順調。また、臨海部の開発物件はBTS型が多いことから、当面は安定した需給環境が続く見通し」と予想している。4月の関西圏の坪当たり募集賃料は4000円で、前期から横ばい。
調査は延べ床面積、敷地面積のいずれかが1万平方メートル以上の賃貸物流施設が対象。対象は東京圏が482棟、関西圏が136棟だった。
関西圏の空室率推移(一五不動産情報サービス資料より引用)
(藤原秀行)