ユーグレナが日本初、ミドリムシなど由来のバイオジェット燃料を航空機に導入

ユーグレナが日本初、ミドリムシなど由来のバイオジェット燃料を航空機に導入

国交省の飛行検査業務へ活用

ユーグレナは6月4日、国土交通省航空局が保有・運用している飛行検査機「サイテーションCJ4」で、同社が製造しているミドリムシなどが由来のバイオジェット燃料を使用したフライト・飛行検査業務を同日実施したと発表した。

政府機関の航空機で国産のバイオジェット燃料が使用されるのは日本で初めてという。

バイオジェット燃料は石油などの化石燃料と同様、燃焼時にCO2を排出するが、ミドリムシや使用済み食用油の原料の植物などは成長過程でCO2を吸収するため、相殺して排出量を実質ゼロとみなせるのが特徴だ。地球温暖化対策の一環として運輸業界などから注目を集めている。

同日のフライトでは、バイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントのBICプロセスにのっとって製造し、外部検査機関による「ASTM D7566 Annex6規格」への適合検査に合格したバイオジェット燃料を、既存石油系ジェット燃料と混合した上で使用。バイオジェット燃料の原料には使用済み食用油と微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)由来の油脂などを使っている。

バイオジェット燃料を給油した飛行検査機は羽田空港を離陸し、2時間30分程度飛行して飛行検査業務を行った後、中部国際空港に着陸した。


国交省の飛行検査機(以下、いずれもユーグレナ提供)


使用した燃料

バイオジェット燃料の給油などを視察した赤羽一嘉国土交通相は「(2050年に国内の温室効果ガス排出量を実質的にゼロとする)カーボンニュートラルが我が国最大の国際公約である中、運輸セクターとしてもCO2排出削減は一番大きなテーマ。その観点から今日、航空機におけるバイオ燃料の使用が実施されたのは良いこと。(バイオジェット燃料の)製造については、航空各社がやるというより、なるべく大きな塊とするのがよいと思う。今後も重要な位置付けとして取り組みたい」とコメントした。

ユーグレナは18年10月末、日本初のバイオ燃料製造実証プラントの竣工を機に、「日本をバイオ燃料先進国にする」ことを目指す「GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)」を宣言。陸海空における移動体にバイオ燃料を導入することを目標として掲げ、20年3月にはバイオディーゼル燃料が完成、供給を開始し、バスや配送車、フェリー、タグボートなどでバイオ燃料の導入が拡大している。

バイオジェット燃料製造は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の一環。今年3月にバイオジェット燃料が完成していた。同社は今後も継続的なバイオジェット燃料供給を目指す。

(藤原秀行)

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