待遇改善の要求、さらに激化も
米国の主要労働組合の1つ、全米トラック運転手組合(通称・チームスターズ)は6月24日、アマゾン・ドット・コムの物流施設などで働く従業員が労組を結成するのを支援する決議を賛成多数で可決したと発表した。
今後、チームスターズ内に専門の担当を置き、資金面などで支援に乗り出す見通し。運輸・物流分野の労働者約140万人が加盟している巨大労組がアマゾンの従業員支援を鮮明に打ち出したことで、アマゾンに対する従業員からの待遇改善の要求がさらに強くなりそうだ。
アマゾンは新型コロナウイルスの感染拡大下の“巣ごもり消費”拡大の影響でインターネット通販の利用が増え、業績を伸ばす一方、物流施設のコロナ対策が不十分と不満を募らせた従業員がストを起こすなど、同社への風当たりも激しくなっている。
今年2~3月にはアマゾンが米南部アラバマ州ベッセマーに構えている物流施設で労働組合結成の是非を問う従業員投票が行われた。同社の米国内の物流施設で初めて労組が誕生するかどうかが注目されたが、開票の結果、反対多数で否決されていた。
(藤原秀行)