【独自取材】JPRのAI異業種共同輸送マッチング、同一企業内の最適化も応用可能に

【独自取材】JPRのAI異業種共同輸送マッチング、同一企業内の最適化も応用可能に

ユーザー向けにスポット便の求貨求車提供を準備

日本パレットレンタル(JPR)は、AIを活用して異業種間の共同輸送を迅速かつ的確にマッチングするサービスを今年10月に開始する準備を進めている。

異業種の荷主企業間で取扱量の波動が異なる荷物をうまく組み合わせ、トラックドライバー不足が常態化している輸送の効率化を後押しするのが狙いだ。JPRは既にパレットレンタルを長年手掛けてきた経験と中立的な立場を生かし、企業単位では調整が難しい異業種間の共同輸送を取り持ってきた実績がある。

AIを利用することでマッチングの精度とスピードを高めることを目指す。JPRはマッチングのシステムを将来は同一企業内の輸送最適化にも応用できるようにする構想だ。

AIによる異業種間の共同輸送マッチングは、帰り便の空車削減と不定期便の定期化という2つのアプローチを想定。荷主企業や物流事業者の輸配送業務を安定させ、物流の効率化を進めるのが目的だ。システムに自社の輸送ルートを登録しておくと、自社で共同輸送を進めたい時に加え、別のマッチングサービス利用企業にとっても自動的に選択の対象となる。

マッチングの精度を高めるため、サービス利用企業は希望する条件を細かく選ぶ仕組みにする。同時に、マッチングが成立する前はサービス利用企業が特定されるような情報は非開示にする方針だ。他にも、マッチングが成立した後は関係企業の担当者同士がチャットで情報共有や調整を進められるようにするなど、サービスの利便性向上に努める予定。

今後の展開として、異業種間の共同輸送成立支援に加え、同一企業グループ内の輸送効率化にも寄与できるようにする方針だ。各事業で使っている配送ルートのうち、混載や帰り便の利用などで一本化できるルートがないかを分析、実現をアドバイスすることを想定している。

併せて、マッチングが成立した企業を対象に、共同輸送のルートで繁忙期に運びきれないほど荷量が増えた場合、スポット便を迅速に手配できるようにする見通し。輸送における非効率の解消を多角的にサポートする仕組みだ。

(藤原秀行)

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