荷主と運送事業者連携し改善策検討
国土交通省は12月6日、「紙・パルプ(洋紙・板紙分野)の物流における生産性向上およびトラックドライバーの労働時間改善に関する懇談会」の初会合を東京・霞が関の同省内で開催した。
運送業界を対象に輸送品目別のトラック荷待ち時間をアンケート調査した結果から、紙・パルプ業界で多く発生しているとみて、ドライバーの労働時間短縮と業務効率化に向けた改善策を荷主と運送事業者、関係省庁が連携して検討。実際の政策などに反映させていく。
懇談会の初会合
懇談会は官民から16人がメンバーに名を連ねている。日本製紙連合会や日本洋紙代理店会連合会、日本板紙代理店会連合会、日本印刷産業連合会、全日本トラック協会などの担当者らが出席。国交省のほか、経済産業、厚生労働の両省からも幹部が参加している。
懇談会の冒頭、国交省の平嶋隆司貨物課長があいさつし、「トラックドライバーだけではなく、発荷主、着荷主を含めて日本全般で人が足りなくなってきている。その中でどのように物流を止めないで業務をこなすかが継続的に大きな課題になっていく」と指摘。
過去2年間、荷主と物流事業者が全国でドライバーの労働時間短縮のためのパイロット事業を展開してきたことに触れ、「全体をよく見て、課題を共有し合いながらどういう工夫ができるのかを考えていくのがこれから大事になってくるだろうと感じた。それぞれの立場で物を考えているだけでは限界がある。アンケートを実施して現場の声を拾いながらどこが工夫できるのか、知恵を絞っていきたい」と語り、立場を超えた活発な議論を訴えた。
国交省などは既に同じく荷待ちが多く発生している加工食品業界で同様の懇談会を立ち上げて議論を始めているほか、建設資材業界に関しても、近く同様に議論の場を設立する見通し。
(藤原秀行)
あいさつする平嶋氏