8月から新座のマルチテナント型で活用
清水建設は8月3日、不動産事業部門が保有するオフィスビルや物流施設の主要賃貸物件に再生可能エネルギー由来の電力を順次導入すると発表した。
政府が打ち出している2050年までのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を目指す方針を踏まえ、脱炭素化の取り組みを加速させる。
第1弾として今年4月、横浜市の大規模賃貸オフィス「横浜グランゲート」でバイオマス発電由来を主とした再エネ電力の利用を開始。8月1日からは新たに、賃貸オフィス「横浜アイマークプレイス」(横浜市)と「秋葉原アイマークビル(東京都台東区)」と賃貸物流施設「S・LOGI(エスロジ)新座West」(埼玉県新座市)」の3施設で、共用部と専有部を合わせた全体を対象に「グリーン電力証書」や「トラッキング付非化石証書」などの仕組みを生かして再エネ電力の供給を開始した。
今後、同社の持ち分割合が50%以上でかつ同社が電力需給契約を締結している賃貸オフィス・物流施設を対象に、供給電力の再エネ化を進め、30年度までに導入率100%を達成する計画を立てている。
3施設に導入する再エネ電力プランは、小売電気事業を手掛ける同社グループのスマートエコエナジーが供給。同社が調達した環境価値を活用し、利用電力の再エネ化を図る。3施設の年間総電力使用量は約14ギガワット時に上り、再エネ化で年間約5700トンのCO2排出量削減を見込む。
再エネ電力導入に伴う電気料金増加分はテナント企業に転嫁せず、同社が負担する。当該施設に入居するテナント企業は従前と同等の料金単価で自社利用電力の再エネ化を図ることができる。
今後の再エネ電力の導入拡大に当たっては、自社保有の賃貸物件の屋上を活用した自家消費型太陽光発電や、遠隔敷地から再エネ電力の供給を受けるオフサイトコーポレートPPA(Power Purchase Agreement)を利用、再エネ電力の安定的な確保を図る。使用電力の再エネ化に加え、施設での消費エネルギー低減にも注力し、今後の新規開発物件はZEB Ready以上の省エネルギー性能確保を目指す。
再エネ電力の導入物件や省エネ性能に優れる物件に統一ブランド名称「グリーンプロパティ+(PLUS)」を付与し、テナント企業に環境価値を提供する優良物件としての認知度の向上を図る計画。
「S・LOGI新座West」(清水建設プレスリリースより引用)
(藤原秀行)