反対票も3割超、僅差の可決に
関西スーパーマーケットは10月29日、兵庫県伊丹市で臨時株主総会を開催した。
総会は阪急阪神百貨店を展開しているエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリンググループの食品スーパー2社との経営統合案を承認した。
経営統合案は特別決議として総会に諮ったため、可決は出席した株主が持つ議決権の3分の2以上が賛成することが必要だった。賛成は66・68%で、かろうじて3分の2を上回り、承認にこぎ着けた。
関西スーパーとH20リテイリンググループのイズミヤ、阪急オアシスは2022年2月に、中間持ち株会社「関西フードマーケット」の下に3社が収まる形で経営統合を完了する予定。3社の単純合算で売上高は約3700億円規模に達する。経営統合後は事業規模拡大を図るとともに、商品の共同仕入れや物流の効率化などを進める計画だ。
経営統合をめぐっては、関西スーパーの株式約7%を持つディスカウントスーパーのオーケーが、関西スーパーにTOB(株式公開買い付け)を提案していたと公表。H2Oグループとの統合は事業計画の実現可能性が低いことなどを理由に反対を表明していた。
さらに、米国の議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)とグラスルイスの2社が株主に反対を推奨するなど、統合に懐疑的な見方も存在していた。総会で3割超が統合にノーを突き付けたことで、H2Oグループと関西スーパーはより慎重に経営統合の作業を進め、株主らへ積極的に情報開示していくことが求められそうだ。オーケーの今後の反応も注目される。
(藤原秀行)